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ござ先輩と言われています。(株) クオリティスタートという会社をやっています。

Webサービスの価格戦略のキャズム 〜The Penny Gap〜

来期からは、このブログを「英語で分かるITトレンド」風なエントリを主体にしていきたいと思います。英語ブログの方が内容が圧倒的に濃いものが多いし、自分の英語のお勉強のためにも有用かなと。

それに他国語を翻訳するというのは、文脈力を鍛えるのに一番よいトレーニングになります。

今回は、海の向こうで乱立しているWebアプリサービスの価格戦略についての記事です。面白いブログがありました。

Premium/Subscription model

タダで使うこともできるけど、続けて使いたかったらお金を払わないと駄目、もしくはプレミアム版は有料みたいなモデルを取る起業家が殆どだと言っています。広告との2段構えならいけるぜ、って所でしょうか。

When asked to support these subscription revenues, entrepreneurs almost always say "well, it's very cheap ($2 a month) and we're only assuming 5% of our users take advantage of it."

However, that is rarely how things play out.

しかし、そんな風に事が運ぶことはまずないと言っています。

何がうまくいかないのかっていうのは、プレミアム版とかでお金を取ったり、購読料(毎月の使用料とかだろう)などを月額2$程度の「超お安い値段で」設定しておけば、5%ぐらいのユーザーは食いついてくるんじゃないの、と言う話です。

なぜか?

Most entrepreneurs fall into the trap of assuming that there is a consistent elasticity in price - that is, the lower the price of what you're selling, the higher the demand will be.

ここが重要なポイント。

ほとんどの起業家は「自分が売っている商品の値段を下げれば下げるほど、商品の需要はもっともっと高くなる」という罠にはまっていると言っています。つまり、価格と需要の間にはほぼ正比例の関係があるということです。それを表したグラフがこれ

でも実際は?

The truth is, scaling from $5 to $50 million is not the toughest part of a new venture - it's getting your users to pay you anything at all. The biggest gap in any venture is that between a service that is free and one that costs a penny.

ユーザーが全く関心を払わなくなります、と書いてあります。何によって?1ペニー(0.01$)のコストを顧客に要求したからです。最大のギャップはタダと1ペニーの間に潜んでいるんだ、と言っています。それを表した図がこれ

よくわかるまとめの図

このように、ちょっとぐらいな課金してもついてくるだろうと思っている起業家の多くは、自分が見積もったユーザー数よりも圧倒的に少ないユーザー数しかお金を払ってくれないというギャップに立ち行かなくなってしまう・・・。


再度まとめ

I think that there is a huge burden to getting a consumer to pay anything -- and entrepreneurs tend to underestimate the level of effort.

オレが言いたかったことは、顧客から少しでもお金を取るというのは「ものすごく大きな荷物」なんだと思っていることで、起業家はその努力を過小評価する傾向があるってことさ、と締めくくっています。

SQLを学習できるWebサービスを作りました。