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ござ先輩と言われています。(株) クオリティスタートという会社をやっています。

企業内のコミュニケーションツールには「ミニブログ」が最適だと思う

Blog,SBM,SNS,Twitter,TumblrというWebコミュニケーション、いわゆる「ソーシャル」というPrefixがつくアプリケーションを楽しく使っているのですが、このコミュニケーション媒体が企業内活動にどういう影響を与えるか、そして今の所何が最適か、面白そうかについて書きます。

まずはブログについて。実はナレッジマネジメント及びコミュニケーションツールとしてのBlogは不向きだと思っています。今日弾さんの良いブロガーの見分け方x10を見てほぼ確信に近くなりました。ここの記述を読んだ時にそう感じました。

4.自分で勝手に学び続ける

むしろblogをてこにそうする人は長続きします。何事も長続きしないとお嘆きの人は、ぜひblogを。効果てきめんですよ。「ああ、それなら出来ますよ。会社でも書いていいのなら書きます」と言うタイプの人はアウト。2.と矛盾しているようですが、結果的に「本業」を助けても、まずは自分自身のために書くのがblogというものです。2.を職場に要求するのは、これが出来てから。

この10の条件を見て根幹にあると感じたことは、Blogは常に自分に考えさせることを要求する情報発信ツールだと言うことです。これは企業内で使うことを考えるとかなり辛いと思います。ただでさえ業務を遂行しているのにさらに自分に鞭を打つが如く「さて業務改革について社内Blogでも書くか」「どれどれ、今日ハマッた某製品の困った所を社内Blogに書くか」という変態的な情熱を持っている人がどれぐらいのいるのでしょう?企業としても「今日はうなぎくった」「あそこのランチがうまい」「XXっていう情報はどこにありますかね」「こういうニュースがありましたね」と言ったたわいも無いPOSTを集めても何の意味もない。

Blogを書くという行為はエネルギーの要ることです。だから、敷居が高くなる。こうやってBlogを書いている人は、ものすごく少数派だと思うのです。自分の知的活動習慣が確立されていないとBlogは続かない。いくら流行語大賞でブログが選ばれようとも、ブログというものは自分の為に議論を促すツールであり、そこにはやっぱり自発的な情熱が必要です。ユーザーの主体性に過度に依存するツールは企業内導入が頭打ちになる気がします。Blogは主体性が必要なメッセージ媒体であり、最も有効なのは経営層のメッセージを伝えるツールとして使う事だと思います。ボトムアップには不向きです。

コミュニケーションというものを「受け手と送り手の関係(one-one,one-many,many-many)」や「相手の存在を意識するかどうか(実在性?)」や「文字の長さ」とか、そういった軸で分析することが多いようなのですが、正直あんまり面白くないなと思います。私が考えるのは「アウトプットを出すのが容易かどうか」「情報の加工がし易いかどうか」という軸で整理した方が面白いと考えています。この2つがどちらも高いメディアが一番気軽に使うことが出来るからです。

最近私はTumblrが好きなんですけど、一番面白いなと感じているのはFollowしている方々によって自分の趣味・嗜好に近似した情報が様々なカテゴリーから一気に流れ落ちてくる所です。ある方はLifeHackをPOSTし、またある方は経済・社会の話、また別の方はJavaの話・・・。まるでFollowerの方々が情報のコックとなり自分の為にお勧めメニューを提示してくれる感覚を覚えています。これは面白いですよ。

そしてBlogのように一から文章を考える必要がありません。Blogの最大の弊害は一からコンテンツを組み立てることにあると思っており、Tumblrの場合はコピペでアウトプットを産出できます。このお手軽感といいますか、情報のインプットからアウトプットに至るまでの思考時間の短さは大きな利点です。知的生産ツールとして最も使い勝手がいいのはTumblrのDashBoardなんじゃないかと思っています。

ナレッジマネジメントツールとして日記という形態をとるのは、思考を狭める弊害があると思います。

もう1つのコアアプリケーションは、やっぱりチャットでしょう。

Twitterがあれば多分SNSは必要ないと思いますし、現にTwitterをやり始めてMixiをやらなくなった人が結構いると思います。Twitterの受け手を意識する必要が無いコミュニケーションというのは、5m先に座っているんだけどあなたは何をしてるんですかって言う人がいっぱいいるEnterpriseにおいてとっても有効だと思います。Twitterの部活の感覚、あれを会社でやったら面白いなーと純粋に感じています。「これTwitterでGroupみたいなの作ってチャットすればこの会議はすぐ終わるんじゃないだろうか」と感じたことがありますし、Twitterの何気ないPOSTが色んな気づきを与えてくれる。社外じゃ言えないことだって言えることがいっぱいあるんだと思うんです。それこそが会社にとって最も必要な情報であり、そこをTwitterな仕組みで拾っていきたい。

まぁ最大の難関はこのように情報をピン留めしていく感覚をどうやって醸成して日常業務の中に溶け込ませていくか、そういう文化的な問題だと考えています。情報共有が難しい最大の理由は、情報発信は基本的に自分のためにやる行為であり組織横断的な目標に資する情報共有をするということは情報の質が薄くなる傾向が強いからです。簡単に言えば、毒にも薬にもならない情報ばかりを共有するってことで、これが最も意味の無い情報です。情報の価値は驚きの大きさに正比例します。驚きの無い情報は情報とは言わないと思うのです。

というわけですっかりミニブログ派の私ですが、Blogも大好きです! 色々と考えることが多くて楽しい時代に生まれたものです。

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基本スタンスはこの方と同じだと思います。

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