GoTheDistance

ござ先輩と言われています。(株) クオリティスタートという会社をやっています。

内部で喧嘩するよりも、ユーザーを変えていこう

@ITが学生と重鎮がぶつかっている所しか記事にしないワイドショーと化していることに辟易としているみなさん、こんにちは。

どちらも読みましたが、学生には学生の理があり、重鎮には重鎮の理があるように思います。煽ればいいってもんじゃないので、互いの軸を僕なりに咀嚼してまとめてみます。

「10年泥のように働け⇒次の10年で勉強しろ」という発言は古きよき時代の発言のように思えます。実際に限られたポスト(ラインマネジメント)をゲットできる40代は大企業の中でも消費税以下の割合です。今は企業が突然死する時代です。それに、実に実に実に当たり前のことですが、ポストは有限です。誰にでも与えられるものではないってことを多くの人が自覚していないんです。ピラミッドの上は尖がっているのはなぜでしょう、ということ。ただ口を開けて待っていればポストを与えてもらえるような時代はとっくに終わりました。10年泥のように働いて仮に会社が雇用を保証したとしても、泥にまみれて動けなくなって外に出ることを諦めてしまう人も多くいるのが現実です。学生が正しいと思います。

優秀な技術者は一般のそれと比べて生産性が段違いなのに何故一律同じ場所からスタートするのかという学生の問いに対して、「だったらそういう会社行けよ」と断言したCSKの会長さんは正しいです。うちの会社はそーゆー会社じゃないんだからって言い切っている。「天才プログラマのように技術を極めるのであればそれを生かす道に行くべきであって,企業に入って大型システムを開発するのはもったいないか向いてない」と仰った西垣さんも正しい。技術が出来ても稼げないような人はそもそも雇ってもしょうがないよね、他に技術者ならいるからさ、っていう発想は経営視点から言えば間違ってはいない。合理的だもの。ただし、人がコロコロ変わってしまうので技術は残らないけど。それが大問題になっているのは今の建設業界を省みたら自明だけどね・・・。

1人で出来ることは、限界があります。個人に依存して良いことは限られています。業務システムには運用があって、いくら開発時に「超生産性高い技術者」が颯爽と現れ短期間でカットオーバーできたとしても、もうその技術者は戻ってこないわけで。それ、誰が面倒見るのよ、と。そういうのもあって、業務知識は大切だしチームワークも大切です。技術的負債を負っているシステムというのは、まさにリビングデッドです。既存システムで苦労している人が如何に多いか。

ハッキリ言いますが、この手の話はベンダー内部だけで議論しても絶対変わらない。売り手からしたら、買い手が望まない変化を自ら促す理由が無い。変わるということはとってもエネルギーが必要なことだから。このような議論を行っても意味が無いような状態にするためには、ユーザー企業が変わっていくしかない。ユーザー企業がイノベーション・エンジンとして動くようなそんな仕組みが絶対必要になると思う。必要は発明の母というじゃないですか。もちろんこれは国策レベルの話だと思う。ベンダーが己のドックフードを食べることは必要だけど、結局それは限界がある。また、ユーザー企業のIT部門の中にITが語れる人材が驚くほど少ないのではないかと思う。僕が考えられるオプションとしては「内製回帰」か「人材サービス前提からSaaS型の業務アプリ開発への転換」の2つかな。どっちをやるにしても、真っ先に手をつけなくてはいけないのは人事政策だと思う。

個人レベルとしては「自分にあった競争原理の会社に行きなさい」でFAだと思うけど、それじゃブレインドレインは止まらなくて。それだと部分最適に過ぎないので、エンジニアを枯渇させないような仕組みについて非エンジニアの僕が今後も考えていきたいと思います。