GoTheDistance

ござ先輩と言われています。(株) クオリティスタートという会社をやっています。

システム内製化のススメ

内製回帰厨としては今回の日経コンピュータの特集は見逃せないので、もちろん買ってみた。

日経コンピュータ 2008年10月15日号

SI関連のエントリでは一貫として内製回帰すべしと言っているので、超間接的に今回の特集に寄与できたと自負しています。僕のブログは数百の企業ドメインからのアクセスがある。もちろん日経さんらしき所からも。というわけで、何かしらのヒントになったかもというかなってくれないかと思っていますw

内製化のメリットとは何か

内製化の最大のメリットは、ビジネスのPDCAを素早く回すことが出来るということに尽きます。これが出来て困る会社は、原則どこにもないでしょう。

今回の特集を読ませて頂いて、内製化のメリットはだいたいこのようなところだと思います。

  • システム化計画〜実装までのサイクルが早くなる
  • システムのブラックボックス化を避けられる
  • 開発工程での手戻りを少なくすることが出来る
  • 使われないシステムを作る可能性が低くなる
  • システムの構築・運用ノウハウを伝承できる

つまり、「システムへの理解」と「ビジネスへの理解」を有機的に掛け合わすことが出来る体制を構築できるため結果としてPDCAが早く回るようになり、競争優位を築く為の差別化につながるというストーリーです。僕はこのストーリーを支持します。

実は人的メリットも大きい

ビジネス上のメリットも大きいですが、同時にシステム部門のモチベーションもあがると思います。そう考える理由は下記の通り。

  • 使っているシステムのユーザーの顔が見える
  • 設計から実装まで(上から下まで)担当できる
  • システムの成長と共に自身も成長していける

技術者のモチベーションを下げる要因は大きく2つあって、「システムを使っているユーザーの顔が見えない」と「設計〜実装までの工程が分断されている」だと思っています。僕自身がそうだった。システム内製化は、この両要因を可能な限り最小化できるのではと期待しています。

そうはいってもデメリットもあるのでは?

僕なりに考えてみた。

  • ベンダーに頼ることが出来ない
  • 人材育成にコストがかかる
  • システム構築時のリスクをとる必要がある
  • 技術の変化に常に追随する必要がある

要は、抱え込んだ以上は逃げ場がなくなりますよってことです。

日経コンピュータの記事では、このように書かれています。

内製という高い山に登るための肝は大きく2つ。「IT部門としての体制整備やリソース確保」「利用部門やベンダーとの協力関係構築」である。

IT部門がファイティングポーズをとらなくては何も始まらないし、当然のことながらトップのコミットメントが必要です。内製化の転換は高度な経営マターです。

業界構造に一石を

ここまで持ち上げていてアレですが、基本的にマスメディアにのっかる情報というのは特殊な事例であり話半分で記事を読むべきです。そう思うものの、僕は内製回帰が進めば業界構造が変わるかもしれないと思っています。内製化を目指すことで、良い意味でエンジニアに求められるハードルが高くなるからです。それはつまり、人狗ありきのモデルが形骸化する可能性を秘めています。

内製化を目指すと決めた以上は、コスト削減と品質向上を同時に追わなければイバラの道を歩む意味がどこにもありません。コスト削減は工数削減とほぼ同義です。工数を削減するためには「仕組み化」が必要です。今はその仕組みが部分最適になっている会社が多すぎるので、色んなムダが起こっていると思います。また、逆に言えばアーキテクチャを包含する視点を持っていない方のお仕事はどうなるかといえば・・・My Job Went to an Indiaかもしれません。でもそれが、あるべき姿かもしれません。

アーキテクチャを包含して考えることが出来る方は、解決可能なサイズに問題を分解し構造化できます。「失敗が許されないほど巨大なものは存在も許されない」ことを知っているからです。

高度に内製化が進んだ企業は、自社のビジネスとそれを支えるシステムの仕組みが理解できているため技術者に求めるスペックも明確になることにより、技術者を国内に求めなくても良くなる。そういうストーリーも考えられます。ブラックボックスになっているのを丸投げに近い形で投げるから失敗確率が高いのであって、分解可能なレベルにスコープを切ってオフショアをすれば、しくじったとしても小火ですむかもしれません。

変化はいつだって、使い手から起こるもの。

弊ブログをご覧下さっているユーザー企業様、是非システム内製化をご検討ください。

それがユーザー企業様にご迷惑をおかけしているブラック企業を淘汰し、ベンダーとのWin-Winの関係を作る第一歩になると考えます。