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GoTheDistance

ござ先輩と言われています。(株) クオリティスタートという会社をやっています。

PMやディレクターに必要な3つのマネジメント

タイトルは僕の造語です。

ビジネス・アーキテクツ代表取締役の森田さんが、下記雑誌の対談でこのような発言をされていました。

Web Site Expert #14

Web Site Expert #14

「正しく動いていることを担保してくれれば良いので、プロジェクト自体を開発するのは物事を作る仕事につながることです。PMPの資格を持っていますといっても、プロジェクトの開発、つまり案件化はできないですからね。じゃあ、どうやって僕たちはそれをできるようになったのかと言えば、これはまた別の難しい話ですけれどね」

Webディレクションの世界でも僕のようなSIの世界でも、似たようなお悩みがあるんだなと思いました。

つまり、「システムを作る・Webを作るマネジャーとモデルとなりえるのは、どういった人材なのか。」という問いです。

この業界もPG⇒SE⇒PMという出世魚的なキャリアパスを提示されることが多いわけですが、基本的に求められるものが全く違いますので、僕もid:t_yanoのこのポストは基本的に正しいと思います。このパスってどう考えても延長線上にあるスキルではないから。

t_yano 某ブログでみた『プログラマのキャリアパスの先にプロマネを置くのは、FFで例えたら 「戦士からナイトを経て最終的には黒魔導師を目指してください」 と言ってるようなもんだと思うんだけどな』って表現は秀逸だと思う *P3 link

僕も「システム開発という仕事において、理想的なマネージャーというのはどういった人材なのか」という問いについてはずっと考えていたのですが、最近になってやっとひとつの公式に至ることができました。それがこれです。

システム開発プロジェクト=ヒトのマネジメント×カネのマネジメント×技術のマネジメント

この「ヒト・カネ・技術」の3つのマネジメントが揃っていないと、どこかで破綻をきたしかねません。

これらを掛け算で表現しているのは、どれかがマイナスだとプロジェクトがマイナス、つまり失敗プロジェクトになるということを示唆しています。お客様との交渉・仕様を決める、そこまでは良かったとしても開発フェーズで技術のマネジメントが出来ていなかったら、失敗してしまいます。逆に技術のマネジメントは出来ていても、カネのマネジメントが出来てなかったら、これもまたマイナスになります。技術要件もクリアし、カネも予算内に収まったとしても、ヒトが壊れてしまったり、退職してしまったりしては、折角得た貴重な知見が失われていくことになり、成功プロジェクトとは呼べなくなります。スケジュールはカネとヒトに共通の要素と仮置きします。

この3要素が1つでもゼロもしくはマイナスならば、基本的にNGということです。

なので、理想的なマネージャーというのはこの3つの要素をすべて兼ね揃えているヒトなんじゃないか、というのが今の僕の仮説です。アプリケーション領域やデータベースの領域のどこかの分野に軸足を持っている「地に足の着いた」マネージャー。もちろん1人で全部やることは無く、チームで補完しあうというのもアリアリですが、技術を商売にしている会社で上に立つのであれば、技術のマネジメントの必要性を感じられる素養が必要不可欠だと思います。

この3つが備わっているマネージャーは、プロジェクトを多角的に考えることが出来るため、とっさの対応にも強いのではないかと思っています。PMPを持っている方が担当されたプロジェクトが火を噴いたなんて話も聞いたことがあります。理論は基本的に「こういう状態の時には合理的な判断をすればこういうことになるのである」というものですので、それ以外の不測の事態に弱いです。

この公式、というかこういう議論で一番難しいのは、「じゃあどんだけできればいいの?」という程度の問題です。誰にとってもわかる明確なレベル感が可視化出来ないことです。ITSSのように職種×専門領域で立ち位置を分類することは出来るのですが、レベルは単純に数が大きいほうが上、という考えにいたりやすくなります。それしかないのかなぁ。

僕は、技術者も一度は管理職につくべきであると考えています。安易な職能給には反対です。プログラマプログラマでいられるのは、その後ろで誰かがマネジメントを担当しているからです。また、仕事は1人では出来ませんので自分のチームを作ると言う意味でも、リーダーとして自分が舵取りを行っていくという経験は、絶対にプラスになると思います。専門家が悪いと言っているのではなく、それだけに向かって細い道をひた走るようなキャリアの積み方は豊かな仕事を生むことにつながらないのではないかという危機感が、僕にあるだけです。

じゃあどこからはじめたらいいの?という問いにつきましては、またの機会に。