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ござ先輩と言われています。(株) クオリティスタートという会社をやっています。

OA化とIT化の深い溝について

IT化とSIというのはまた別のものだということです。何を当たり前のことをと言われそうですが、ひとり情シス兼エンドユーザという身ですしシステム開発を事業の落とし処としない状態になったので、「開発する」という選択肢が大きく減ったのを実感するのです。

株式会社マジカジャパンの羽生章洋が書いてるブログ:いちユーザとして - livedoor Blog(ブログ)

IT化とSIが違うというのを僕の言葉で言い換えると、「OA化」と「IT化」は違うということになります。

僕はIT化していくためには業務プロセスをちゃんと設計していかないとダメだという思いからBPMに興味を持ち始めました。しかしながら、僕は今小さい会社にいて最近強く思うんですが、弊社にBPMを導入するとか業務改善しましょうというのは、尚早だし機能しないだろうなと思います。

社長の力量がコアになっているような多くの中小企業においては「業務プロセス」という概念が無いといっても過言ではありません。もちろん確固たるプロセスはあるんですが(それがなきゃ売上が作れない)、担当が決まっているわけではありません。大企業とは商売のやり方が全く違います。商品は他と同じで競争力が無いとしても、機転を利かせて臨機応変にモノを捌いて営業力でカバーしていくのが中小の強みになったりするので、「あなたは次こういう仕事をするんですよ」というのをまじめにやりましょうと言われても、「ん?」となってしまう。ピントがずれちゃうんですね。

システムによって会社を回している所は、社長が全体を把握できないので分割統治をしていく以外企業組織を維持できないようなある意味成熟された会社です。でも、日本の99%を占める中小企業で果たして「IT化」や「システム化」に一足飛びにいける会社がどれほどあるのだろうか。僕はいつもこれが疑問に感じる。内部にプログラマを抱えない限りまず無理だと思う。OA化ならソフトウェアを買うだけだけど、IT化まで見据えると100万単位の仕事になりしかもそれは利便性を高めるだけであって直接的に金銭を生むことが無いとすると、リスクが高すぎる。利便性ってカネで判断できないんですよ。価値観の問題だから。

なので、まずは「作業を自動化しましょう、効率化しましょう」という部分から入らざるを得ないのかな、と。足で稼いだ売上伝票をなんとかソフトに打ち込んで請求明細書を発行するとか、締め処理をするとか。この段階ではシステムを作る必要(必然性)は無くて、極端に言えばExcelマクロで十分なこともあります。Excelは世界最強のOA化ツールw こういうのをOA化と言います。

が、物売りの会社というのはどこも「受注→商品仕入(発注)→出荷→納品→請求」という流れを回していくわけですが、OA化を部分的に行っているが故に違うことをシステムでやろうとすると、業務と業務の間が断裂されてしまいます。なので、OA化とOA化をつなぐものとして、IT化があるのかなと思っています。システムというのは、共有できる情報ネットワークが構築できていないと仕事の役に立つどころか足かせになることがとても多いです。単純な例だと二重入力とか。注文情報と売上情報が別システムになっているとか。

このOA化とIT化の溝というのはすごく深いと思いますが、OA化からIT化へと今の会社をステップアップしていけるよう、明日からもがんばる!

閑話休題

しかし、あのスタロジが開発を中断する日が来るなんて思ってもいなかった。マジカジャパンという社名からは「マジカ」を日本発の新しいシステム開発手法として確立させていこうという、羽生さんの強い決意を感じます。

「マジカ」は私も体験させて頂きましたがものすごく精巧に作られた業務可視化ツールで、とりあえず色々カードに書いて並べているうちに「自分のやっていることを整理でき」「それを1つのプロセスとして可視化することができ」「もやもやしていることを書き出せて」「今後の取るべきアクションの材料が浮かび上がる」というツールです。業務フローとか書いていると粒度が気になったり、思いのほかシーケンシャルに業務の流れって表現できないものなんですが、その辺りの課題を「1ページ4コマが基本」「物理的に並べる」といった設計でカバーされているのがピリリと辛い、憎い奴ですw

是非一度やってみてください。純粋に楽しいですから。

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