GoTheDistance

ござ先輩と言われています。(株) クオリティスタートという会社をやっています。

プログラマでよかったなと思える瞬間を増やせたら

今年ももう終わりですねぇ・・・。

スーツ・ギーク論争に参加してた頃に僕と知り合った多くの人は、僕が技術系に戻ると知った時に驚かれた方が多かった。あんだけスーツでいたいって書いていたからそりゃそうだなって、過去エントリ読み返して改めて思った。

この2年ばかりどんな心境の変化があったのか、思い出しながら書いてみたいと思う。新卒はツライよ!みたいな感じで。

僕は大きなSIerに入ったにもかかわらず、幸運にもバリバリコードを書く部署に配属された。相当レアだったと思う。そこで仕事をしているうちに、僕の立場はプログラマという作業員でしかなかったことにひずみを感じるようになった。技術が無ければできないしそこは間違いなく意味があるんだけど、僕は仕事をもらっているから力関係で言えば、間違いなく下なワケで。そういう状況だと、グダグダなプログラム開発を強いられることが多くなって辟易とし始めたってのもあったかなぁ。

僕は相当生意気な若造だったので、「なんでおめーの言うことに従わなきゃいけないんだYO。オレならもっとビシっとやれるYO」と意気揚々。恥ずかしい>< プロジェクトをデザインしたり仕様を決める力が無いなら、それをできる立場になろうと思ったので、早くPMを経験してみたいと思ってた。自分が正しいと思ったことを決めて、それをやりたかった。だからスーツになりたいって書いた。仕事のやり方を変えるしか道が無いのに、テメーが変わろうとせずにグダグダ言っても負け犬の遠吠えだろぐらいに思っていたかも。若いぜベイベー。それが2006年頃。Seasarが出てきた頃にはてなを知った。DIコンテナがエンプラでも使われるようになった時期。実案件でS2使ったことあるんだぜ。その案件はゴニョゴニョ・・・でしたが。

チームリーダーとかプロマネとかをやってみると、これはこれでおもろないなーと思うことも増えた。めんどくさいことばっかやらなくちゃいけなかった。

Excelをこねくり回し、更新日付がちゃんと管理できているかみたいなことが増えた。プロジェクトの人員・原価の見積もりとか、1ビットも実装して無い基本設計書とか、工数管理とか、裏方雑務など、いわゆるドキュメント系の仕事がすげー増えた。これだけをやるのはやっぱつまんなかったなー。レビューなる中身の無いPDCA回して何が面白いんじゃとか思いつつも、要件定義とか基本設計なるものはドキュメント作って検収もらわないと先に進めないもんだと、ある意味盲目的に受け入れていた。あと、「問題管理表_20080110.xls」とかの差分管理とかもめんどかった。Excelは情報共有に絶望的に向いてま・せ・んからー!残念ー!

管理のお仕事って「ドブさらい」のようなもんです。メンバーをドブに入れないようにするのが大切だと思います。

全体を見る人のお仕事は進捗管理と問題管理に尽きるんですが、他人様に仕事をやって頂くというのはとてもスリリングなことなんだということを知った。

顧客とコミュニケーションが取れる立場になると、ほとんどが「SIer」⇔「お客さんの情シス」⇔「エンドユーザー」という構造になっていた。仕様を決めるのは情シスで、要望を出すのはエンドユーザーというよくある図式。その時感じたのが、「お客さんの情シス」⇔「エンドユーザー」の断絶っぷりがハンパ無いこと。ギーク語とスーツ語の間にはものすごく乖離があったこと。これを直訳するのはあまりに距離が離れすぎているので無理だと思った。

システム屋とクライアントの情シスがToBe描いてエンドユーザーの要望とAsIsに照らし合わせFit&Gapするのが端的に言えば要件定義ですが、自分たちのシステムや業務をどうすべきか会社として曖昧なのにそれをやっていいことのあるのかな、と。特に自社に対しては一層そう感じた。自分の会社のことだからよけいに身に染みたんだろう。自社に対する問題点の理解が深まると他社に対する問題点もだいたいわかるようになった。先が読めるようになった。

「結局、自社のシステムがどのように使っている人に対して、大きく言えば経営に対して貢献しているのか、誰もわかってないんじゃないの?非効率とかそういうレベルの問題じゃないぞ、これは・・・」

そういうのをコンサルやり始めてひしひしと感じるようになった。それが2008年の春ぐらい。内製回帰って言葉を使い始めた時期です。

そこから1年ぐらい、「もうこの会社でやりたいことがなくなってきた」→「でもこれからどうしよう」と宙ぶらりんな時期を過ごした。仕事も時間に余裕を持ちやすい案件になったので、各種情報収集に余念が無く、オフ参加にも余念が無かった時期w 当初は外資系のコンサル会社を挟んで独立をと思ってたんですが、叔父に首根っこつかまされて「スモール・ビジネス」にトライすることになった。なんでも等しくやらないといけない世界。フリーダムですが大変です。

SIerにいた頃プログラマでいるのがイヤだと思ってたのに何で今はそうでないかというと、0から1を起こすのが性に合って楽しいから。乱暴に言えば、作業員としてのプログラマじゃないから。やったらやった分、自分のためになるから。「そこそこ」「それなり」じゃ0点と同じだけど「とびきり」になれば化けるかもしれねぇのが感じられるから。電波だったこともあるけどw 

いいことばかりじゃなくて、「なんでこんなことまでやらなくちゃいけないのよ」と感じる時間も増えたし、逃げ場がなくなったので閉塞感の色も昔よりも濃くなっている。

プログラマで、プログラムを書ける自分でよかったなと思える瞬間を増やせたらいいなって今は思う。それがある限り、仕事が充実している証拠だから。

最後に笑うのは正直な奴だけだ

出し抜いて 立ち回って

手に入れたものはみんな

すぐに消えた

ねぇ この夜が終わる頃 僕らも消えていく

そう思えば 僕にとって 大事なことなんて

いくつもないと思うんだ

ELLEGARDEN 金星

SQLを学習できるWebサービスを作りました。