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GoTheDistance

クオリティスタートという会社をやっている人のブログです。中小企業の顧問エンジニアをやっています。

ノマドワーキングを目的にすると不幸になるのでは?

僕はノマドに対しては否定的なのですが、その心情をうまく表現してくれているのがこちらのエントリ。

そもそも個人的な実感として、一つの組織に所属して、社畜と言われようがきちんとした成果を出す形で働き、組織と一緒に自分も成長した上で、その後独立なりなんなりするのが最終的に自由を手に入れる最も現実的な方法であることは間違いない。

(中略)

ノマドというライフスタイルが存在するのではなく、自分にとって最適な形を模索したらそれがたまたまノマドだったというのがライフスタイルの正しい形のはずだ。

ノマドとかライフスタイルをテンプレで語ること自体の陳腐化と正社員とノマドの中間解 - Future Insight

いや、もう全く同感。ノマドは目的じゃない。単なる結果でしかない。

典型的なノマド像は津田さんや佐々木さんのような、ご自身のメディアをお持ちのジャーナリストなんだろうと思う。publickeyの新野さんもそうかな。彼らは情報源をコントロールして、その情報を自分のレシピによってカクテルを作ることにより価値を提供している。これをキュレーションと世間では呼んでいる。こういう生き方なら、色んなヒトに色んな話をして色んな啓蒙を行うほうが稼ぎにもなるのだから、オフィスに閉じこもるのはマイナス面が大きい。持ってる情報を交流させないとすぐに賞味期限が切れる。また、所属がフリーであるから中立性も保つことが出来る。コンサルタントやフリーランスのエンジニアにも、ノマド的なスタイルは相性がよい。

そこまではOKだけど、そこから先は大抵セルフブランディングをしてソーシャルメディアでパブリックに身を置いてサバイブすればアテンションがキュレーションしてギフトエコノミーがエバリュエートしてリーマンはオワコンでローラもオッケー的なテンプレが多いようで。

gamellaさんもご指摘されているように、組織に守られないで生きていくためには組織の中で相当な成果を出している人間でなければ継続してノマドするのは難しいし、組織でカバーできないことを全部自分でやれる人間じゃないとすぐ撃沈する。というか、エンジニアの苦手な「調整」が滅茶苦茶多いよ。社内政治はアレだけど、本来は調整してベクトルを揃えるって相当高度なスキルですよ。組織のありがたさを知って初めて、ノマド的な生き方の立ち位置が築けるはずで。フリーの人間はONもOFFも関係なくなることが多い。OFF時間でやってる趣味的なことでも、そのうち仕事になるかもしれないって思い始めるから。プライベートの時間も・・・ってそれを削らなければ顧客から報酬貰えないっていう単純な話もあったりで。給料=顧客からの報酬だし。誰も変わってくれないし。仕事は確実にデリバーするのが最優先なの。

つーか極端に言ったら「憧れのノマド像」って「会社に通勤することを強制されていない人たち」でしかないんじゃないの?ノマドワナビーってそれだけな気がする。オフィスは要らないかもしれないけど会社は要るんじゃないですかね。殆どのヒトにとって。そこ、ごっちゃにしてません? 在宅勤務が出来ればノマドワナビーの殆どはそれで満足なんじゃねーって思った。通勤はコストであることは間違いない。でも、そのコストを下げると別のコストがかかるのが、難しいところです。

まさかとは思うけどノマド育成講座とかあるのかな?それ、リーマンにとっては単なる残業促進にしかならず残念すぎて切腹コースだと思うんですが。個人で出来ることは、たかがしれてますよ。様々な立場の中にある複数の問題を解決できるのは、企業組織の醍醐味です。

ただ、オフィスレスなワークスタイルを促進することはめっちゃ賛成!大企業なら別なんだろうけど、小さい会社がオフィスで行わなければならないのは、顧客や取引先からの電話やFAXの問い合わせに応えたりReFAXを打ったり、仕入れた商品の検品や伝票整理したり請求書郵送したり・・・ということが9割だと思います。うん、明らかに生産的ではない。事務作業だし。

ですが、顧客への発注から商品を納めるまでには複数の問題があり、様々なヒトが直接Face to Faceなコミュニケーション取らないと回らないという。紙がそれを阻害しているんだけどさ。注文とっても納められなければ全く無意味。封筒詰めやReFAXなどはその場にいなければ出来ませんが、それ以外のことは全てWebベースのシステムを組みかつ業務の流れがシームレスにつながるようになれば、オフィスにいる必要は激減する。出荷作業だけは人力なので必要ですが。そういう会社をITで作るのが、僕の課題。来年の今頃にはビシっと仕上げて発表資料作ってアピールしたいわー。

なので、オフィスレスなワークスタイルを追求することは自分の仕事の本質を見つめ直す良い機会になるのでOKだけど、ノマドに憧れてオフィスレスを目指したらジョブレスに向かって全速力で走ってたなんてことが無いようにと、そう思うのであります。