GoTheDistance

ござ先輩と言われています。(株) クオリティスタートという会社をやっています。

転職エージェントに踊らされない技術

ここ2〜3年ぐらい前からでしょうか。IT業界の中で「勉強会」というのが1つのムーブメントになりはじめ、個々の技術者がブログで発信していく中で新しいトレンドを発信していく流れが形成され、Twitterがそれにターボエンジンを用意した格好になりました。ブログではなく、IT系のメディアにも取り上げられるようになり、今では当たり前になりました。

しかし、それらの流れに目を付けた転職エージェント会社がTwitter / facebook / LinkedInをはじめとしたソーシャルメディアで、エンジニアを一本釣りして儲けようという豚野郎が調子に乗っているので、若いエンジニアの方がキャリアをロストされないよう注意を喚起したいと思います。

転職オファーに浮かれない

なんか微妙だけど条件が良くなるなら悪い気はしない・・・っていう精神状態が最も危ない状態です。会社は今ひとつな感じだし自分も面白い仕事ができてないけどこれといってやりたい仕事がない人は、バッドエンドな転職をしてしまう恐れが高い。転職してポジションやサラリーは上がっているけどキャリアは先細りするということになりかねません。まずはそういったオファーがあった場合には「家にやってくる適当なダイレクトメッセージが来た」ぐらいのものでしかない、と思いましょう。

向こうは商売だから誰でも良いんですよ、条件に合えば。基本的に、あなたである必要は無いんです。転職オファーに浮かれたら負け。ステップアップとかキャリアアップっていう横文字を真に受けるのは、霞を食うようなもんです。

会社の名前に浮かれない

急成長しているとかどこそこに上場しているとか会社の規模がでかいetc...そんなのは飾りです。あなたがこれからやる仕事が実りあるものになる保証では無い。「自分に取って働きやすい会社≠業界でプレゼンスが高くて儲かっている会社」ですので、気をつけてください。重要なことは、「その会社で高評価されている人間はどんな人間なのか、それはどういう競争原理の元に決まっているか」ですので、ここがすれ違ったら意味がありません。

自分がやりたいなって思った仕事だけど年収が下がるということも往々にありますが、その次の転職でプラスに転じることもあります。給料は所詮水物です。支払う会社の原資が全て。刺身タンポポで600万、難しい仕事で400万。こういうのは往々にあります。ですが、あなたのノウハウは水物ではありません。条件面のみに踊らされるとある意味「悪銭身につかず」ですので、ディープに考えましょう。

エージェントに頼らない

エージェントは人材の商品価値を査定しますので「この人だったらこういう仕事ができそうだな」ではなく「こういうスキルがあれば俺 or 会社が持ってる案件を紹介できるのにな」という論理で彼らは動きますので、今の仕事に感じてる漠然とした不安を煽られて「こんなスキルがつきますよ」なんて言われて動揺してしまうヤングパーソンが多いです。エージェントを使った転職でハッピーになった人もたくさんいますが、エージェントに頼った転職でハッピーになることはまずないと言って良いでしょう。

仕事の成果がキャリアアップに繋がらない。そんな自分に自信がなくなることもあるでしょうが、あくまで軸は自分においてください。ソーシャルメディアを使えば、アピールする場はいくらでもある。エージェントに遠慮してはいけませんし、言ってることを鵜呑みにするのは一番やってはいけません。クライアント企業と信頼関係が相当強いのなら別ですが、エージェントがその会社のことをよーく知ってる訳が無い。

僕の経験上「会いたい」が前にくるエージェントは自分の抱えている案件をこなしたいだけの人が多いので、会うだけ無駄でした。秘匿性が高いから教えられないにしても、もうちょいやり方があるだろう、と。履歴書には見えないそのエンジニアの適性やスキルを見抜くことができないので言語経験だけでフィルターかけてつばつけておきたい、という前提の出会いが実りあるものになるんですかねぇ・・。ましてや、「まずは電話で話したい」なんていうのは大抵豚野郎なので相手にしない方が良いでしょう。

自分の身の程を知れ

最初は自分のやっている仕事がちゃんと誰かの役に立っているのか、正当な対価を得られているのかが不安になります。しかし、良いキャリアを積んでいけば自分の内なる自信がちゃんと作られて、「俺はこういうことが出来るんだから、こういうチャレンジがしたいし、こういう形で自分を役立たせたい」という思いが前に出る時が来ます。それが無いと自分のアピールに深みが出ないので、よい転職につながる確率は低くなるように思います。結局、自分に積み重ねたものでしか道は切り開けません。

冷静に自分の出来ることを振り返りましょう。そしてエージェントが言っている仕事の内容が自分の出来ることをベースにキャリアを積み重ねられる経験がそこにあるかどうか、もう一度考えてみましょう。

請うのではなく、請われろ

本来、転職オファーというのは転職先の会社から直接請われて、間に誰も入らない状況でじっくりやるものだと僕は思います。ジョブマーケットに出る前に優秀な人間はアウトプットで語れるから請われやすい。請われる為にどうしたら良いかといえば、自分の実力を認めさせることに尽きます。自分の実力の有無は認めてもらうんじゃなく、認めさせるものです。その為には、自分の速度でアウトプットを出して地に足をつけた階段を上るしかない。能ある鷹は爪を隠してもしょうがない。爪があることを認めさせないとね。

以上のことを留意すれば、エージェントの甘い誘惑に負けること無くしっかりとしたキャリアを築くことができるようになると思います。

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