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GoTheDistance

ござ先輩と言われています。(株) クオリティスタートという会社をやっています。

クラウドがもたらしたSIの価格破壊の果て

クロノスの山本さんと飲みにいきました。遅刻してすいませんでした><

僕らの興味はやはりSIビジネスがどうなってしまうのだろうかという点で、色んな観点から話が盛り上がった。

クラウドの台頭によって、ビジネスでITを利用したくても出来なかった層にIT技術の裾野が広がっていく。SIは自前でシステム環境を構築することで差別化を図り儲けていた側面も強かったけれど、クラウドがハードのアウトソースを加速させた事でシステム開発案件の単価は下がっているし、価格下落話には枚挙に暇がない。目の上のたんこぶではあるが、業界のパイは小さくなったとしても優秀な人間にお金が回るようになれば長期的には良いこと的な帰結を考えていた。

でも、その歪みがひどい事態を生んでしまったようで・・・

一方、SIおよびSEのこれからに暗い影を落とす話もある。関西のあるSE派遣の企業のはなし。

何十人もの新人さんを集めて、無料でプロジェクトに派遣するビジネスモデルが流行ってきているらしい。
何十人の内、数名でも生き残って、その後定期的な売り上げになれば良いという、携帯の新規契約無料みたいなモデルだ。

これによって、業界全体のSEの単価が暴落している。少なくとも関西では平均10万は下がってる印象だ。

エンジニア人月0円セールと、ござ先輩に見た未来 - 山本大@クロノスの日記

1つの案件に何十人放りこむわけじゃないだろうけれど、所謂SESで食いつないでいくというのは、大小問わずみんなやってる。何十年も前から脈々と受け継がれている。別にそれはお互いの利害が一致したから良し悪しを問うても仕方ないけど、ピラミッド構造の中である意味不可侵な単価設定が可能だったものが、その構造が崩壊し始めたことで完全に泥仕合になっちゃった。

3年ぐらい前に書いた最近SIerがだいぶヤバくなっている件 - GoTheDistanceにおいて、SIerが涙目になるというロジックをざっくりと展開したのですが、どうも当たってしまったらしく僕の周りの数人に聞いてだけでも、耐えきれなかった会社さんも相当いたとのこと。で、そんな中、システム構築の仕事がないなら稼働を確保するためにSESに頼るしかないのか・・・みたいな。

SESのビジネスはシステム屋が最下層になる上に、長期的に見ると何ら技術的知見が会社に蓄積されないため価格しか差別化ポイントがないのは1億と2000年ぐらい前から指摘されている。大別すれば「エンドユーザー」→「人材派遣業者」→「システム会社」か「エンドユーザー」→「元請けのシステム屋」→「下請けのシステム屋」という2パターンしかないんだけど、人材派遣業者と元請けのシステム屋で価格のたたき合いが熾烈を極めているというかその熱で焼身自殺に及んでいる、という理解を僕はしている。

叩く対象は素人になるけど、その結果セッションって何ですかみたいなヒトが大量生成されてしまうのかと思うと疲れちゃうわ。その素人さんも不幸だし、中にいるエンジニアも不幸だよな。なんか2年前ぐらいに見たよねー。2年ぐらい前に見たわ−。

全然関係ないけど、今現在SESがホットなのはソーシャルゲームの世界のようで「ソーシャルゲームの胴元」→「ソーシャルゲーム開発業者」→「人材派遣業者」→「システム会社」っていうピラミッドが形成され始めていると思ってます。SIばかりが際だってるけど、Web系って結構黒い話ありますよ。出てこないだけで。端的にはサービスという万馬券を当てるための出走馬は誰でも良いし使い捨てでえーねん、的な。

振り返って周りを見ると、僕の回りのエンジニアもほとんどサービスやってるIT会社かミドルウェアの会社に転職した。3〜4年前の名刺と比べて変わったなぁと。泥臭い所を排除したクラウド的ビジネスによって、泥臭い土方的な仕事しか残らなくなっちゃったんでしょうか。ソフトウェアの価値が益々高まっていくことと、ソフトウエアを仕事にする人間の社会的ステータスがどうも比例していかないのは、僕らの自助努力が足りないだけなのかなぁ。

ただ、これだけは分かって頂きたい。

IT業界を語る上で皆様にご認識頂きたいのは、「単純なIT技術者の派遣を生業にする企業」と、「正しく責任を持ってSIを展開している企業」を「IT企業」の一言で括るのは違うって事だ。この括りには強い憤りを感じているので、単純なIT技術者の派遣を生業にしている会社が人月0円セールをやってるのなら、私たちの愛するSIを冒涜する奴らは早く死んで墓に入れよ。出オチですいません。 特にリクナビで非常にしつこかったパ●ナテックに死んで欲しい。やたらうざいなメールを送ることで有名なテ●ノブレーンもテクノブレイクしたらいい。

クラウドの台頭でSIビジネスが終わったとしたら、次の成長ドライバは一体何になるのかが誰にも分からないしその議論がどのメディアにも全くと言っていいほど無いんで、何かヒントを見つけたらまたブログ書きますです。