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GoTheDistance

クオリティスタートという会社をやっている人のブログです。中小企業の顧問エンジニアをやっています。

システム化の目的は、Excelの焼き直しであってはならない

システム開発

これは興味深い問題提起。

エクセルでできることができない何百万のシステム・・

Excelで出来ることが出来ないシステムとかいうものに、なんで数百万も突っ込む必要があるのか」という話には、キチンと整理して説明できるようにしておきたいもの。

機能面ではExcelには勝てない

Excelが提供している豊富な機能群は、世界でも選りすぐりのソフトウエア開発チームが途方も無い期間と金額をかけて作り上げたものです。Excelで出来る機能と同等の機能を提供することは、納期も予算も上限がある業務システム開発プロジェクトにおいて、非常にハードルの高い機能要件でしょう。業者からすると「ウサイン・ボルトに100m走で勝利しろ、期間は2ヶ月で」って言われても的な・・・

でも、「Excelとかいう最強の業務ソフトと同じこと望むなよ、そんなもん無理」で突っぱねてしまうのも違う。Excelには無い価値ってどこにあるかをキチンと共有しておかないと、システムを入れる意味もなくなります。誰得。

システム化の目的は、Excelの焼き直しであってはならない

「必要なこと」より「excelでやりたいこと」を優先するとシステム構築は失敗する - プロマネブログと重なりますが。

Excelでやりたいことを新しいシステムに載せたいという要望は、非常に取り扱いの難しいご要望です。即死亡フラグになる可能性を秘めています。ご担当者様からすれば、明らかにExcelより使い勝手が悪くなるシステムと毎日向き合うことになるストレス・・・結構ありますよね。

でも、システムを導入する・導入を成功させる為には「システム化で達成したいことは、Excelの焼き直しであってはならない」ということを再考頂きたく思います。

システムを導入する目的は「ある担当者の業務効率を改善する」ことであってはなりません。それが目的なら数百万のコストをかける意味は無い。業務システムを導入するのであれば、「会社全体としての業務効率を向上させる」ことによって、会社がより優れたサービスを顧客に提供することが可能にならなければならない。

Excelで頑張ったけど限界だった話

Excel使った業務でよくあるのが、発注書の作成です。仕入先から商品データの一覧表Excelをもらって、違うシートに発注書がある。その品番のセルを入力するとVLOOKUP先にあるものをひっぱって入力補完みたいな。間違い防止と効率化のためによくこの種のExcelを見かけます。

これは弊社の例なんですけど、僕の作ったシステムを導入する前は営業マンが外出先で取ってきた注文を発注担当者の本社の人間にVLOOKUP機能付きExcelでメールしていました。こんな感じの内容が続くと思って下さい。

品番 品名 数量 単価
AAA-222 イケてるデザインのマグ 5 @750
BD-21 カップアンドソーサー 6 @1200
CC9876 スマホケース 1 @600

で・・・問題が2つあって・・・。

  • 営業マンは複数人いるので、発注書を仕入先に流す時にマージが必要
  • 仕入先の商品リストに変動があると、VLOOKUPで引っ張るデータも更新が必要。Excel再配布乙。

Excelは非常に優れた機能を有していますが、情報共有には絶望的に不向きであります。ある業務から次の業務へ情報の橋渡しを行う場合は特に不向きです。Excelマネージャみたいな人が出来ちゃって大変な会社さんも結構いるんじゃないかな。

Excelを捨ててレベルアップした話

というわけで、「Excelに埋もれてしまう機会損失及び不毛な属人化」や「貰ったオーダーを正確に納品できない」という大変困った問題が明らかになりました。これは無視できないという経営判断の元、以下のようなことが可能になるようにシステムを組みました。

  • 営業マンはシステムを起動して受注入力するだけ。外出先でもOK
    • VLOOKUPで担保してた入力補完・エラーチェック機能を踏襲。
    • 過去の入力履歴も参照できるので納品単価のミスも防止可能。
  • 商品情報はCSV/TSVで一括登録。マスタ訂正すればその内容は当然即時反映。
    • Excel再配布不要に。常に最新データを参照可能。誰もが。
  • システムが受注内容を集計して発注書を作るので、発注担当者はそれを印刷するだけ
    • 発注担当者の業務負荷激減。リードタイム短縮 & 営業サポートにつける余裕も

システムを導入したことで、会社としてレベルアップしている感が伝わりましたでしょうか?

システムを経由して各人の作業内容を簡潔なものにすることで、業務プロセスがスッキリとしたものになりました。良い意味で作業分担が出来まして、システムが情報の集計・共有を行うことで人的に行うことが困難な「業務の橋渡し」が可能になっています。これが、数百万かけるシステムを導入する効果の1つです。

システムを導入する前に

どんな会社にしたいのかをしっかり議論しましょうね!木を見て森を見ずにならないこと、森の全体像が共有できていることが、1番大切です。