GoTheDistance

ござ先輩と言われています。(株) クオリティスタートという会社をやっています。

フィード・シンジケーション?

前々からよくわからなかったので、狂おしくマジレスしてみる。

ひろゆき氏のRSSリーダーなんて要らねぇぜエントリには、情報収集という行為は検索によってなされるもんであり、RSSをかき集めて情報収集して一体何が生まれるのっていうことが含まれていると思ってる。恐らくこれは情報収集のスタイルの違いから来るすれ違いだと思ってる。

検索という情報収集行為には、明確とした対象があり目的がある。「箱根 温泉」とか、「Java 逆コンパイル」とか。対象ドリブンなわけ。で、RSSリーダーを使った情報収集には、これほど明確な目的は無く「なんとなく自分が興味あることについて、今でどんなことが書いてあるのか」が主だと思っている。多分感覚とすればニュースサイトを見るのと同じ感覚。これは鮮度ドリブンなわけ。RSSは、読んだ情報には価値が無い。読んだものはブクマしるという話。アーカイブ情報はRSSでの情報収集対象にはならない。まずこれが1つ。

もう1つは、ひろゆき氏のエントリにあるように情報発信者をフィルターに使っている情報収集。これは検索では出来ない。DanKogaiの言っていることが知りたければそのBlogのFeedを購読するのがベストだし、ひろゆき氏のもおんなじやり方。フィルターの単位は発信者なんだから、これは発信者ドリブン。

このひろゆき氏のエントリが釣りかもしれないけど、恐らく鮮度ドリブンという考え方は彼にはなかったんだろう。それだけじゃないかな。

で、もう1つ。小川さんのこの記述が良く分からなくて困っている。

思うに、Web2.0はデータコンテンツそのもののトラフィックなのだ。データ自体はネット上を自由に飛び回る。Webサイトという枠にコンテンツが内包されて動けない、という時代は終わった。RSSあるいはAPI、Webサービスを通じて、コンテンツは幽体離脱するかのようにネット上を行き来するのである。

そしてそのコンテンツを集めて、ユーザーの好みに合わせた表示を行なう、つまりシンジケートするサービスが必要になる。 シンジケート (Syndicate) とは、異なる組織を緩やかな結合で管理するということだ。そして、 シンジケーション(Syndication)とは、シンジケートをすること、という意味になる。つまり、シンジケーションとは、個別のWebサイトが持つコンテンツを効率よく収集、あるいは組み合わせて管理する行為そのもののことだ。

上段落については、理解できる。下段落については、理解できない。

確かに従来においてはコンテンツはWebサイトに依存していた。データそのものを吐き出す仕組みが無かったからね。ここは理解できるし、幽体離脱と言っているのは「Webサイトという枠を超えて、純粋なデータコンテンツであるFeedそのものがWebを行き来できる」ということが言いたいのであろう。RESTもその意味では一役買っているし、HTTPの悪癖であるしょーもない画面定義情報というオマケのやり取りから解き放たれたという一面は理解できる。

問題は、次。

この小川さんの言っているシンジケートサービスが、なぜ必要なのかが良く分からないのだ。これはある情報を元に次の行動を起こす、業務プロセスなるものが確立されている企業体においては有用だろうと思う*1が、個人においては全く必然性の無いサービスだ。

コンテンツを集める理由など、情報収集の観点からしたら全く不必要なはず。Google検索ボックスがあればそれでいいじゃん、って。サンスポと日経と朝日新聞を集めて1つのオレメディアを作って何が面白いのかが分からない。コンテンツを並べて取捨選択しても面白くともなんともないので、iGoogleも使う理由が無い。

ぶっちゃけフィードシンジケーションなんて言葉は要らないんじゃないか、マッシュアップと何が違うのかって思ってる。ユーザーの「次の行動」を促すためのマッシュアップ・アプリケーションは理解できる。出張に行くという行動があって、じゃらんのAPI叩いて、路線情報もどっかから叩いて、予約情報のXMLを吐いて申請書なりに差し込んで・・・、みたいな。これはいい。ちょーWeb2.0的でいい感じ。ITProあたりがハァハァしそうな「Enterprise2.0」事例w だけど、今RSSをかき集めても絶対こんなことはできなくて。

まぁ、最終的には「棲み分け」になるんだろうけど、棲み分けて生きていくためには強烈な存在理由が要るわけで。棲み分けて消えていくんじゃしょうがなくて。そこが知りたいわけです。

*1:この辺もまじめに書くと別エントリになるので今回は割愛

SQLを学習できるWebサービスを作りました。