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ござ先輩と言われています。(株) クオリティスタートという会社をやっています。

発信力をつけよう

まなめ王子が「ブロガーには是非読んでもらいたい」とおっしゃっていた、「発信力 頭のいい人のサバイバル術(樋口 裕一)」を読んだ。僕もいい本だと思う。これを受けて、僕が発信力をつけるためにはどうしたらいいか、という観点でいくつか申し上げたいと思います。

YES/Noが明確であること

発信において一番大切なことは、自分が取り上げている話題・議題に対して、何らかの観点でもって是非を論じていることだと思います。是非を論じるってことは何かと言いますと、YES or Noをハッキリ明確にするということです。これがなかったら発信にはなりません。単なる言いっぱなしです。そんなの誰も読もうとはしてくれません。あっそ、で終わりです。

発信は、受け手に届けて初めて発信となります。

YESに立脚しよう

発信力をつけるには、YESからスタートすることです。Noからスタートしてはダメです。なぜYESから始めた方がいいかと申しますと、ある事象に対してYESを表明すると、他の色んな批判に対してから自説を守りつつ前に進める力がつくからです。否定するなら重箱の隅をつつくだけで可能ですが、肯定するなら全部受け止めて行かなくてはなりません。

要するに楽なんですよ。否定するのは。でも、発信するということは自分の価値観を伝えていくことです。それには、自分なりのYESが必ず内包されています。そこがないのに人の心が動くわけ無いでしょう。自分が満足するために発信することが目的ではないはずです。

で、こう書いていくと大抵「YESだけなんて気持ち悪い」という意見が出てくるんですが、それって「お上の言っていることが気に入らない」と同質のように思えます。もちろん、YESだけなんてことはあり得ません。物事は二面性を有していますので、良い面がでるか悪い面がでるかは、その時の環境に大きく左右されます。

そのYESを否定しつつ更に上回るYESを提示して上を行くのが、生産的で有意義なコミュニケーションです。

相手が何を言ったかじゃなく、自分がどう考えたのか

相手の発言を「根っこから」刈り取ってそれに自分の勝手な主観を盛り込んで発言しているのをしばしば見受けます。ですが、生産的なコミュニケーションでは共有している前提・文脈というのが存在します。それを無視した発言に、さしたる意味はありません。むしろ、不誠実です。伝えるべきことは、相手の発信に対しその文脈を引き継いだ上での返信であり、それが生産的な発信につながります。

叩き台を提案しよう

発信力を鍛える良いトレーニングは、叩き台を提示することです。つまり、意図的に叩かれろってことです。

いや、お気持ちはわかりますよ。でも、反論されない見解なんて、殆ど価値がないんです。誰にとっても当たり前のことなんてつまらないし、何も生みません。問題は叩くことに満足する人が多いことですが、僕が好きな言葉にこういうのがございます。

出る杭は、打たれる。
出ない杭は、腐る。
出すぎた杭は、打たれない。

含蓄があります。自重はダークサイドですよ。腐ってしまいます。

また、僕は叩き台をあえて間違っているものを提示して、相手のYESを引き出すカウンターパンチを打つこともあります。右に行きたいのに、左ってまず言うんです。そうると「おい、そこは右だろ」って言ってくれるので、「そうですよね、ここは右ですね。失礼しました」とつなげるんです。特に上司の説得に有用です。お試し下さい。

どうして「サバイバル」なのか

何故この本の副題に「サバイバル」とついているか、ここがポイントです。

自分でToBEを示せないのなら、誰かのToBeの中で従属的に生きて行かざるを得ないからです。そこからの「サバイバル」という意味合いもあると思います。歴史を振り返れば明らかです。自立心が欠けてしまえば国は滅ぶこともあるのです。個人でもレベルの差はあれ、同じことが言えるのではないでしょうか?

最後に

というわけで、発信力をつけるために「おまえはすげーよ!」って言うことから始めてみましょう!

価値があると認めるということが、最大の発信なのですから。

発信力 頭のいい人のサバイバル術 (文春新書)

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