今日はセ・リーグの優勝が決まるかもしれない日です。しかも、ホームでの神宮球場の試合。チケット争奪戦が予想されていました。
当然のごとく、チケットの販売時間から球団公式サイト「スワチケ」は非常に接続が困難になり、仮押さえしたらSorryページに飛んだり、クレカの決済確認でSorryページに飛ばされて購入できない人がたくさん出ました。熱心なヤクルトファンの方が購入できなかったり、昨日のチケットをとっていたのに中止になって今日のチケットを買えなかった人も、たくさんいると思います...
その一方で、転売目的でチケットを入手した人もたくさんいたようで、ヤフオクで「神宮 ヤクルト 10/2」で検索した所、かなりの数が引っかかりました。
心情としては、本当にその公演を楽しみにしている人に適切な価格で購入できるチャンスが損なわれてしまう誠に遺憾であります。
本人縛りでは不都合も多い
転売自体を防ぐことは可能です。可能にするには、購入者以外の譲渡を一切できないように縛れば良い。購入時に顔認証やAppleのTouchIDのような指紋認証を入れるなどすれば本人以外の来場は無効となります。購入時にチケットに対して指紋を紐付けて、その指紋の変更を不可にし、入場時に来場者との指紋称号を行えば入場可能となる。こんな仕組みがあれば、転売を防ぐことは可能でしょう。
オークション等の転売市場に流出することを防ぐのはまず無理ですから、購入者以外の来場を全て無効にしてしまうのが、一番シンプルな解決策です。
が、他人に全く譲渡できないというのも不都合が多いですよね。
転売は真っ当な商取引
恐らくコンサートでも野球でも同じでしょうが、その公演自体が中止にならない限り、チケット購入後のキャンセル・変更・払い戻しは一切できません。明確な理由はわからないのですが、変更が可能となると色々と手続きが大変なのでしょう。
体調が悪くなったり、都合がつかなくなったりで、自分の友だちに代わりに行ってもらって楽しんでもらいたいと思うのは当然のことですし、「そんなの知るか。来れないなら買うな」では乱暴すぎるのも事実です。購入した商品をどういう形で使うかは、原則として消費者の自由。
が、転売を可能にする仕組みがあると、その転売の良し悪しを判断する手段が無いんですよね。違法性が無いからです。転売がNGなら、オークションは全てNGになります。大きく言えばフリマもNGになるでしょうし、金券ショップに売りに行くのもNG。
ダフ屋が現地会場近くで転売してれば地方迷惑条例等でひっかかりアウトですが、ネットオークションや金券ショップで買った事自体は完全に合法なわけですよね。乱暴に言えば「転売の問題って、チケットを定価で買えない恨み節でしょ?」と言えばそれまでの話。3倍でも買いたいという要求自体に違法性は無い。
嵐のコンサートチケットでヤフオクで出店されたのが確認された座席を無効とするという試みがあったそうです。本来は転売屋が罰せられるべきで金で解決した人には罪はない。転売を間接的に無効にするぐらいなら、本人認証必須のほうが筋が良いと思います。
転売の是非を決めるのは主催者
結局のところ、転売自体は真っ当な商取引ですからそれを取り締まるのは無理があります。さしたる社会的意義もない。公演を主催する立場の方が、転売を是とするか非とするかを決めるしか無いというのが現実的な落とし所だと思います。
転売を非とした場合、都合がつかない等でそのチケットが不要になった場合にどうするかという課題は残ります。ぴあの再販サービスのように、「キャンセル待ちで定価で買える」サービスを作って、そこを通さないで購入したチケットは無効とする。
・・・が、そこまでのインフラを作る金銭的負担は主催者にあるわけですし、チケットの売買利益が食われちゃうとやる意味がなくなる。その分の投資をするんでチケット代が15%上がりますとかだったら、納得出来ない人が多いよね。そんなことにはならないと思うけど。
なかなか難しい問題ですが、良い落とし所が見つからないものかと悩みます。