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ござ先輩と言われています。(株) クオリティスタートという会社をやっています。

国内ラボ開発という新たな受託開発のビジネスモデル

古い読者の方はご存知かと思いますが、僕は受託開発においてアジャイル開発をそのまま適用するのは否定的で、アジャイル請負は自爆テロと紙一重だとすら思っています。上手くやれる組織もあるんでしょうけど・・・。

アジャイルを受託開発で正しく推進するのなら、ビジネスモデルを大きく変える必要があると見ています。永和さんの価値創造契約や、倉貫さんの納品のない受託開発等、新しい受託開発のビジネスモデルが出て来ました。そんな中、こんな会社があるんだけど知ってますかと連絡がありました。(株)プラムザさんが掲げる「国内ラボ開発」です。

labo.plumsa.co.jp

受託開発専業の会社さんでアジャイル開発を独自の方法論で推し進められているようなので、2/20に開催されたセミナーに潜り込んでみました。

国内ラボ開発のビジネスモデル

契約は準委任契約で、最低契約期間3ヶ月。それ以降は月額課金となり契約解除が可能になる。初期費用も頂かない。ここまでは「よくある話」なんですけど、この進め方の絵にご注目下さい。

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各々のロールに沿って、プロジェクトの進行と共にチーム構成やそのロールを担う人の稼働が変わっています。最初はPMとSEが多めで、開発が進んでくるとPGが多め、みたいな。稼働の見積もりが「日単位」で、チーム構成は月単位で柔軟に変えられる。過剰に人を割り当てるとお客様に不要なお金を払ってもらうことになるからギリギリまで合理化しよう、というポリシーでやっておられるそうです。最適なチームをその都度構成するのがベストだと考えられているのでしょう。

仕事の進め方も「最初からすべての要求を確定するのは辞めて、走りながらやりましょう」というスタイルです。要件定義をかっちりやっていったら、時間ばかりかかってしまう。最小契約期間の3ヶ月で何も動くものが出来ないのが、最も望ましくない。ゴールをシステムの完成におかずに利用し続ける限り手を入れて、システムを進化させていきましょうという考え方ですね。

青天井をどう捉えるか

この手のビジネスモデルを考えるには、費用をどう捉えるかが重要です。やる方は、システムに手を入れ続ける限りお金が入ります。お客様からすれば青天井になります。支払いに終りがありません。

そうはいっても、そのシステムが継続的に利用され事業運営に資するものであれば、常に最善の形は変わっていくはずです。また、業者が手を入れるか自分たちで管理するかだけの違いになるでしょうし、メンテナンスする人員は必要。お客様の立場で定期的にメンテナンスできる体制があることの意味がご納得頂けるかどうか、そこがポイントなのかな〜と感じました。

色んなモデルが出てきて欲しい!

一括請負以外の受託開発における色んなビジネスモデルについては引き続き勉強したいので、もしこんなことやってる会社があるよ!というお話があれば、僕のブログのお問い合わせフォーム等から頂ければ嬉しいでーす!

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