また、お金の話についても、そもそも簿記(booking)・会計(accounting)・財務(financial)の区別がついてない人が多いです。
「やべー正直わかんねぇ、オレってだせぇ」と思った紳士淑女のために、ざっくりまとめてみました。突っ込みはゆるふわでお願いします><
簿記とは
企業が日々行う取引から、貸借対照表や損益計算書を作成するための元ネタ(総勘定元帳)を作ることです。単式簿記・複式簿記とかもあくまで方法論です。ただ、企業組織の場合は家計簿とは違い、発生したお金の結果だけではなくその原因について因果関係を踏まえて帳簿をつけていかないと、プラスとマイナスが正しく管理できない。つまり、5万でEeePCを買ったという行為だけを管理するのが単式簿記で、5万円のEeePC入手&現金5万円の支出を紐付けて管理するのが、複式簿記です。
ここで大切なことは、記録した帳簿から財務諸表を作成するための方法論は、一切含んでいないと言うことです。総勘定元帳を作成するまでのツールが簿記という理解が、正しいようです。
会計とは
総勘定元帳から、その会社に沿った基準に沿って、貸借対照表や損益計算書を作成する理論及び一連のプロセスのことを、会計と呼びます。簡単に言うと、「うちの会社の経営状態はこういう状況でございます」と説明できるようにすることが会計の目的です。管理会計も財務会計も、この意味では基本的に同じことだと思います。会計は英語でAccountingですが、accountは「説明する」という意味の動詞だし、Accountabilityという英単語は「説明責任」と訳されたりします。
減価償却費を定率で行うか定額で行うか、棚卸資産を原価法で行うのか低価法で行うのか、簿価で計上するのか時価で計上するのかという話も、会計の領域です。これによって数字はガラリと変わります。当然ですけど。
それが顕著に現れているのが、石油業界のようです。
詳しくは「在庫評価益 石油」とかでgoogleって頂くとして端的に言いますと、石油のようにどんどん単価が変動していく商品は、期首と期末の単価の平均を求めるのか、時価に近い単価で原価を計算するかによって、会計上の数字が全く違ってきます。期首で1バレル=$100だったものが、期末になって1バレル=$150になったと仮定すると、平均法だと$125で単価を算出しますが、後入だと$150が最初に採用されます。平均値を使ったほうが数字上の原価が下がるので、原価が下がれば収益も上がるというお話です。
その意味で、会計とは経営者による関数であるとも言えます。その旨が下記書物に書いてありますので、ご興味のある方は是非。僕は買ったのに無くすという失態をやってしまった・・・。
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財務とは
会計が経営状況を説明するための計算手法であるのに対し、財務とは資金(端的には現金・有価証券等)の管理手法のことです。キャッシュの入出を取り扱うのが会計と大きく違う所です。
P/Lは「収益−費用」で計算されます。ですが、この売上と費用は現金が入出する段階ではなく商品を販売した時点及び仕入れた時点で計上します。発生主義ってヤツですね。ですが、実際のお金が入ってくるのは商品を販売した時点とは限りません。月末締めの翌々払いとかになると、現金が入ってくるまでタイムラグがあります。会社ってのは収益が赤字だろうが資金繰りが回っていれば存続可能です。逆に言えば収益が黒字でも現金不足で不渡りで倒産、いわゆる黒字倒産という現象が起こります。
こういうのは得てして基本的なことですが
定義が出来ていないことは、検討する軸も生まれない。まずはこういうものである、と大枠を定義することが大切だと思います。
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