経済からSIってどうゆうものってコトを改めて考えてみました。整理のためのエントリ。
昨日だか一昨日だかのエントリにかいた4つの原因を再考。
- システム価格がコスト積み上げで決まる。
- 労働集約型のビジネスモデルになってしまう。
- 社会的地位が確立されていない。
- リスク実現率が高い。
1と2については産業構造の問題で、3と4については産業成熟度の問題かなぁと思いました。
もっとハッキリ言えば1と2は同じ問題が根っこにあります。言わずと知れた人月計算です。システムを経済面から見た構成単位が頭数と言うのが問題なんだぜ( ゚Д゚)ゴルァに対して、反論の余地はそう多くないでしょう。当たり前な「そりゃそーだよね的正論」です。ちなみに、イチローが月給20万台で雇えるのも人月が裏にあったりします。
本来創造性と頭数は何の関係もありません。頭数が有効なのは、基本的にコピーにおいてのみです。チェーンビジネスや労働集約型の産業においては「同じ価値を提供するものをコピーする」ことが経済的にも有効ですが、システム開発のように唯一無二の成果物が求められる独創的なアウトプットで勝負する世界では、少数精鋭のほうが優れているに決まっています。
一言で言っちゃうと、仕事の内容と評価体系のミスマッチです。
それとSI企業は(他の業種でもそういう所はあるかも)、現場のSE以外に誰もお金を稼ぐことができません。スタッフがお金を稼ぐわけでもなく、営業がお金を稼ぐわけでもなく、経営がお金を稼ぐわけでもありません。稼げる部門がものすごーく偏っているので、プロジェクトが赤になってしまうとものすごい連鎖作用で色んなコストが赤になってしまう。ここがSIの辛い所です…。上場規模のSIerだったら、仮に1億の赤字出したら恐らく3億稼がないとトントンにならない。赤になった分稼げばチャラになりません。
4番についてはリスクの実現性と言うよりも、リスクが現実のものになった時の赤字幅が非常に大きいのが問題。
3番については、ソフトウェア関係の成果って目に見えない上に法律や会計のように実感を伴うことがものすごく難しいのが全てじゃないかなぁ。コンサルタントは経営コンサルと言うカテゴリで社会的地位を得た感があるが、ソフトウェアエンジニアはそうはいかないのが辛い。ソフトそのものはカネにならない、というか雇用を生みにくいという側面も無視できないかも。
まとめると・・・。
・ 仕事の内容と評価体系のミスマッチ
・ リスク実現時の赤字幅が非常に大きい
この2つが癌ですね。異論反論賛同補足等お待ちしてます。