Harbard Business Schoolの助教授であるAndrew Mcafeeが「Enterprise2.0」ってどんな姿なのだろうと議論を重ねています。いくつか気になったPOSTを斜め読みしてメモ。
Enterprise2.0の定義
Ver2.0になっているのは、Andrewが自分で以前つけた定義に満足してないので再定義したためです。それだけw
Andrew曰く、Enterprise2.0とはこういうものだと。
Enterprise 2.0 is the use of emergent social software platforms within companies, or between companies and their partners or customers.
会社内部、会社間、パートナーや顧客の間で使用される「社会的ソフトウェアプラットフォームの使用」である、と
社会的ソフトウェアっていうのは、「コンピューターを通じたコミュニケーションを通じて、人々が集い、繋がり、共同することを可能にするソフトウェア」であると定義しています。ソフトウェアの中に社会ができる、そんなイメージですね。
これこそ、正にWeb2.0のエッセンスなんじゃないでしょうか?これはスルメのように味わい深い1文だと思います。
Enterprise2.0の例として、日本のMKタクシーの乗車配備システムを挙げています。詳細は$6.5の有料レポートになるのですが、携帯でMKに掛けると、直接最寄のタクシードライバーまで繋いでくれるサービスらしい。技術の先端はアメリカからやってくるけど、それによって作られたシステム品質って日本に勝る国は無いんじゃないかと思う。特に企業向けアプリにおいては。
ちなみに競馬のオッズが全国で統一されているのは日本だけだぞ。恐るべき中央競馬勝馬投票システム。アメリカじゃニューヨークとシカゴで配当が違うのは当たり前なんだってさ。
Non-IT Userを動かせ
このエントリの要点は、Enterprise2.0のような「技術者の主張」は、NOT-ITのビジネスリーダーが「オラすっげぇワクワクしてきたぞ!」って思わせるようなものじゃないとダメだという話です。
As a result, there's very little in Lay's definition for a non-IT business leader to get excited about, or to act on.
Lay's definiationっていうのは、Layというヒトが定義した「Enterprise2.0の3本柱」のことです。その内容は以下の通り。
この定義に対し、「これじゃITわかんないヒトに説明してもワクワクしねーだろうが」と反論しているわけです。
さらに、
How long should we expect businesspeople to believe technologists' assertions that a brave new world is at hand, and that it can be inhabited after one more set of trends comes to fruition?
微妙な意訳をしつつざっくり訳すと、「技術者のアサーション(ここでは主張と訳すべきだろう)が新たな世界を我々の手にもたらすと、経営陣が信じてくれると期待するまで、そして技術的トレンドが実を成すまでにどれぐらいかかるのよ?」っていう主張です。
響かない言葉は、語るほど空しい。