毎度おなじみ技術評論社の細谷氏よりご恵投頂きました。おおきに。
- 作者: 羽生章洋
- 出版社/メーカー: 技術評論社
- 発売日: 2016/11/22
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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なんでプロセス設計なのか
前作ではじめよう! 要件定義 ~ビギナーからベテランまでという本を書かれた著書の羽生さんが「そもそも材料がないから要件定義なるものができない」という現場が非常に多く、要件定義のその前に考えなくてはならない「プロセス設計」についての本が必要だという考えに至ったと書いてあります。
材料ってそりゃ所属してる会社のビジネスであり自分の仕事じゃないかと思うのですけど、自分の会社が何を商売にしていて、自分達の仕事の意味や課題点を整理して、"こういう仕事に変えていけばいいんじゃない”と落とし込む為の考え方が全く浸透していない。 本書からはそのような問題意識をビンビンに感じました。
ごった煮感が強い
あとがきにも書いてあったのでツッコミますと、本書はごった煮感が強いです。みなさんがプロセス設計に近しい局面にぶち当たった時に役立つ内容が散りばめてある感じで、オムニバスのような仕上がりになっています。プロセス設計のハウツーではなくヒントがたくさんあるので何か1つでも響いてくれたら、という格好。
僕がプロセスを設計する時に考えていること
自分がプロセスを設計する時に考えていることはこの4つです。
- その仕事はどこから来るのか
- 作業を終わらせるために何を判断しているのか
- 終わったら次はどこに行くのか
- 例外(個別対応)はどれぐらいあるのか
この4つを整理すれば概ね問題なく現状を把握できると思っています。あと帳票のチェックも忘れずに。必要だから存在してるので。
で、本書にもありますがToBeを考えるときは逆算で考えます。本書ではバックキャスティングという言葉を使っています。ゴールは追いかけていくもんじゃなく、近づいてくるもの。逆算しないと近づいては来ないです。
企業のITシステムをデザインする難しさ
企業のITシステムを作るのは非常に難しい仕事のはずです。こういう仕事に変えていくとデザインして、それを実現するITをデザインして、実装して提供しなければならない。その工程はひとまとめにして分断させないことが大切です。仕事をデザインしている仕事、かっこいいじゃん。仕事を変えることの大半は仕事の中で流れている情報の流れを変えること。企業のITを作る人はそれを意識しないとね。昔はビジネスアーキテクトとか言ってたよね。素人童貞臭ハンパなくて草不可避です。
マーケットとしては企業のITをデザインするSI領域のほうがWebサービス系の領域よりも全然大きいのだから、プロセスを設計して自社の事業運営にほんとうに必要なものは何かを見定めることがいかに大切なのかってことを、本書を読みながら思いを馳せてほしいなぁと企業のITシステムばっかりやってきた僕は思います。
- 作者: 羽生章洋
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- 発売日: 2016/11/22
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