大きな会社に所属していたけれど中小に転職し、今また大きな会社さんと仕事をする機会が増えてきました。備忘録の為にメモしておきます。
どこもそうだと思いますが、会社を回すために機能群で縦割りした組織体制になっているため「直接お話をするヒト」と「実際に動いてくれるヒト」が違うんですね。話を通してはいるけれど、その話を通した担当者が実際に動いて確認をしてくれるわけじゃないのです。仮に自分には非が無いとしても、こちらがアラートをあげなくてはならない。相手のミスが自分にとってのブーメランになって、取引に支障が出る。
なにそれ?って思います? でもそれが現実なことが多いんです。
自分が確認を怠ると、相手のミスがあろうともそれが処置されているか確認していない自分に非がある、という話になっちゃう。「そもそも悪いのはオマエだろ?なんで動かないんだよ?」っていうのは通用しない。部署を超えてしまったら一切そこから動きたくても動けないし、動く理由が無い。越権行為ってヤツになるから。
これが大手と付き合う時に一番気をつけないといけないことで、僕らは担当者を相手に仕事をしているのではなく、仕事を回す大きなシステムってやつを相手に仕事をしているんだという意識を持たないと、何かトラブルがあった時にドドドっとしわよせがやってくるんです。このシュールレアリズムは味わってみないと絶対分からないと思います。
確かに大きいところはたくさん発注をしてくれますので、フツーのお客様より多くの利益は出ます。数が多いからあたり前。でも、数が多いということはリスクも大きい。特に物売りは在庫を仕込むから、キャンセルされたらマジやばい。「キャンセルされたら?」ってすごいリスク。また、大抵はその会社のやり方に沿わなくてはならない為、その手間隙がバカにならず何か1つでも阻害要因があると、向こう側の手違いに起因しているのにこちらの運営コストが嵩んで利益分のカネが吹っ飛ぶことがある。
そう、僕らは「人間」と仕事をしているんじゃない。企業体システムと仕事をしているのだ。
だから常にシステムが正常に回るように先手を打って道案内をしなければならない。「やってくれているだろう」は禁物。コレが原因で倒産に追い込まれるケースがあとを立たない。できないことやハッキリとNoを言わないと、向こうに代わりがいくらでもあるように僕らのこともいくらでも代わりがいると思っていることが多いので、結局ブーメランが自分達にやってくる。しかし、出来ないっていっちゃうと取引そのものが危なくなるリスクを孕んでいる。このジレンマはかなりキツイ。不況になるとこの構図が鮮明になるよ。景気の悪化は大手のお怪我で芋づる式に関連企業がやられてしまうことが発端なんじゃないのって良く思う。
利益率が良いわけでもないので大きな利益になるわけでもないし、やらなくちゃいけないことは多いし、窓口の人間は「これをやれ」としか言わないし、なんかリスクばっかりこっちにあるような気がするので、実はハイリスクローリターンじゃんって。でも、大きな会社さんは化けますからね。業者からパートナーになるまでが大変であって、それ以降はとても良いお取引をさせて頂いていますです。あそこと取引できているぐらいなら・・・みたいな感じで会社の地力を強力にバックアップしてくれるブランド形成的なメリットは無視できないです。
ただ、僕個人としては社長同士の話し合いで即断即決レッツゴー!な仕事の方がワクワクするから、出来ればそういうことばっかやってたいけど!
おあとがよろしいようで。