スモールビジネスにトライしている僕がやってきました。
スモールビジネスを興して成功するための9条件 - 人と組織と、fukui's blog
- 利益率の高い商売
- 在庫を持たない商売
- 定期的に一定額の収入が入ってくる商売
- 資本ゼロあるいは小資本で始められる商売
- 競合商品に比べ低価格
- 商品の再生産が容易(労働集約型でない)
- 協力(購入や顧客の紹介)してくれる仲間やメンターがいる
- 貪欲な学習意欲
- 顧客、従業員、商材、社会とのトラブルリスクが少ない商売
書かれていることは正におっしゃるとおりだと思うのですが、殆どの場合こういうのはビジネスモデルに対する結果論なので部分的にしか参考にならない。この条件をほとんど兼ね揃えていたけど、「その条件を売上に転化できなくて」くたばる会社っていっぱいいる・・・。この条件を否定するのではなくて、モデルは良くてもコケるビジネスがいっぱいあるのはなぜか、ってことを考えたい。
というわけで、一例を。
ある会社では、顧客管理の「HogeCRM」という製品を入れて業務をしています。導入費用200万、ランニングが月10万かかるとします。で、あなたは優秀なプログラマですから同じものを1ヶ月で作りました。Coolですね。それを100万で売り、ランニングは月2万で提案しました。
実に素晴らしい。利益率も高いし、在庫もないし、一定額の収入もある、資本も自分だけ、価格も安い、トラブルも少ない。
でも、これ失注しました。知人の例ですが。
その100万は、プログラミングなどの費用だけを期待している値段ではないのです。僕はコストを安くモノを作れるし品質も高いんで御社にメリットありますよという理屈だけでは、商売は出来ません。この理屈が受け入れられたら、OSS開発者はもっとお金を手にしてもいい気がします。
スモールビジネスでは、商品そのものに圧倒的な競争力があるケースが少ない。やろうと思えば誰でもリソースを調達できるものが多い。特にITは。だったら最も重要なことは、自分の身の丈にあったメリットを提供して、顧客とのお付き合いを継続的に作り出すこと。その為には「営業、マーケティング、総務、経理、事務」といった知識とそれを遂行する能力が、全てバランスよく必要になります。で、それを築く為に、当面は100%の確率で好きなことは出来ず嫌なことばかりを、全て自分で行うハメになります。その嫌なことを他人や社会のせいにせず、克服して次に歩を進めていくこと。
僕はこれが一番必要なことなんじゃないかって思っています。
僕自身かなり環境には恵まれてきて「なんでこんなことやってんだ」という苦労を多くしてこなかったので、環境を変えたら自分のゆとりっぷりにティアーが出ています。会社員を6年やってきて、それなりの成果は出たし自信もありました。が、会社員をしながら身に付くスキルは、結局の所専門能力でしかありません。スモールビジネスを起業するには専門能力だけでは足りません。求められるスキルの幅はビッグです。
そういう性質のものだからいきなりリングにあがると死んじゃうので、週末起業であったり副業であったりと、自分のスキルの延長線上で出来ることを積み上げて、小さくても確実な顧客基盤を作るコトが先なのではないか、と思います。「暖簾わけ」的な感じですかね。外に飛び出すのは仕事が回るようになってからでいいですって。崖に向かって飛び出してもしょうがないです。
終身雇用なんてどう考えても崩壊しているんですから、もっと多くの人がスモールビジネスを志すようになって、自分の食い扶持は稼げるようになれるような流れが加速していけば面白くなるのにな、って思います。
自重はダークサイド、全て前向きに。