GoTheDistance

ござ先輩と言われています。(株) クオリティスタートという会社をやっています。

スーツとギークのエコな関係を斬る

久しぶりにスーツとギークのお話。一説にはスーツ女子とめがねっ娘ギークの萌え論争だと言われています、ええ。

「要件決めて話をつけるのは誰でも出来る仕事であって、それをプログラムに落としこむのが大変」ということがわかっていない、というトピックをあるブログのエントリで見つけました。もっと言ってしまえば、「何かトラブルが起きた時にお前らは何の役にも立たない。技術者がいなかったらスーツは何が出来るんだ」という話に発展する。お気持ちわかります。

ここで言わんとしていることは、「技術がわからないスーツはいつも「このボタンを押すと注文明細が出る」レベルの要件しかもってこない。そんなもん誰でも出来る。そこからプログラムに落とし込む所が大変。」だという話だと思います。確かに「このボタンを押すと(いくつかのルールを元にDBを更新して)帳票(フォーマットやレイアウトは?)が出力されてグラフ(レイアウト・縦軸と横軸は?)が表示される」という話があったら、()の部分を明確に詰めないと前に進まない。

でもこれ、仕様の話じゃん。要件じゃないよ。プログラマってのはそういう所を整理して詰めていくのが仕事じゃないの?PMがプログラマが出来る個別タスクを抱える理由はどこにもない。リスク云々の話は案件立ち上げの話だから、ちょっとスコープが違う。PMはプロジェクトのドブさらいで精一杯。

最もエコな関係は、「上流工程=戦略策定」「中流工程=要件定義」「下流工程=仕様策定〜実装」だと思う。上流をスーツ、中流とスーツとギーク、下流はギークがやったらうまく回りそうな気がする。全部出来るギークがいればそれに越したことは無いです。

サラリーマンプログラマの悲哀で仕様に関する策定権が無いことも多いけれど、要件を技術を駆使して実現するかはプログラマに判断して決めてもらわないと、少なくとも提案すべきって思う。内製なら特にそう。PMは個別の仕様まで全部見切れない。なんて腐ってるPMだって?でも、その腐った仕様をぶっ潰せるのはプログラマしかいないさ。とても残念なことなんだけど。

要件から仕様まで全部決めてもらわないと困りますでは、話が通らない。プログラマの主体性を奪うような構造があるにせよ、筋としては隙だらけの要件であろうと、そっから仕様に落とし込むために必要なモノを全部自分で整理して、自分の意見が真っ当であることを通さないと。プログラマの誇りを見せつけなきゃ、そこで。こっちは実装のプロなんだぞって。

お前何なのって言いたければ、ただ相手の足りない所を攻撃してもしょうがない。相手が足りないことをこうやれば出来ますよとと道を用意してあげないと。何かが必要なんですってのを通したいなら、それを行わないことによる損害を前に出してメリットを強調させないと、テーブルの上に載らないよ。北風と太陽とシスコムーン。テーブルすらない場合は・・・逃げるも一手w 

こう書いちゃうと「スーツはできもしねーのに言うな」とか「SIerプログラマに主体性持たせないからダメ」って話になりやすいから、僕も物好きだよなぁ。ま、選択肢は結構あると思います。SIにいてSIを変えていく。フリーになる、ユーザー側に転職する、業界変える、起業する、やめる。暗いと不平を言っても、多分暗いものは暗いまま。リスタートするのは早いほうがいい。

変わらなきゃいけないのはプログラマの主体性を奪うような仕事のやり方なのは間違いない。スーツの考え方、プログラマの働き方を変えないと。僕にはその弊害ばかりが目立つ気がしてならない。

というわけで、この辺の問題に興味を持ってくれるスーツ層の方々が増えてくれることを祈る次第でございますし、ベンチャーCTOだらけカンファレンス vol.1 on Fri, Jun 18, 2010 @ 7:30pm. #cto48こと「CTO48」に大きく期待している昨今であります。

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