GoTheDistance

ござ先輩と言われています。(株) クオリティスタートという会社をやっています。

維持管理なんてやめちまえ

はてなやライブドアのようなIT業界の話ではなくSI業界における運用の断片的なお話です。最近ちょっと運用系の方々とお話しする機会があって、色々思うことがあったのでメモっておく。ちょっと飛躍しているけどそこはご勘弁。

SIerとしては開発ポッキリで終わってしまうのではなく、顧客のシステムの運用を任されたいと思っている。そうすれば預かっているシステムのライフサイクルにそって、また新たな開発案件が降ってくることだってあるし、そのシステムに関連するシステムのビジネスが子供のようにくっついてくる。また、運用しているから信頼を得られる。それに開発みたいに一発作れば終わりじゃないので、定期的にキャッシュが入るのも大きい。

だが、そんな運用の最前線にいるエンジニアは不遇な側面が強いようだ。業務知識が求められるがゆえになかなかローテションがきかない、また工数が大してもらえないので数字が上がらない、常に鈴をつけられている、開発の不具合を面倒見なくてはならない、技術力が向上しない・・・。端的に言ってしまえばすぐ飽きる。運用のSEは優秀な方ほど自分の時間が取れなくて辞めていく人が多いと聞く。

これを踏まえると、SIerとして維持管理は会社としてなくてはならないが、そこで働く個人レベルでは恵まれない・世知辛い側面が強くモチベーションが保ちにくいというのが問題の構図のようだ。もし、この仮説が正しいなら答えはひとつ。

維持管理でヒトを張り付けにしない仕組みを作ることだ。

多分これしか道は無い気がする。社員がやっている運用業務の標準化を図ることで、オペレーターレベルでも対応できるようにするしかないんじゃないか。ITILでも何でもいいけど、この問題を片付けるには最後は運用プロセスの一元化しかない。その為には、仮想化技術というのがキーになると思う。次世代プラットフォームとして仮想化技術を全面に押し出す会社は今後増えていくと思う。システムの構成管理を可能な限り一元化することができるからだ。だいたい、ヒトを張り付けなければ維持管理が出来ない事自体が大きな間違いなんじゃないのか?これが根本的な原因な気がする。そこを如何に脱却するかじゃないのかな?だからみんなITILに萌えていて、「おお、これでやっと運用の標準化が見えてきた!」って感じで食いついているし、方向性は正しいと思う。多種多様なシステムを統一的な手順で運用できればすごい強みになるんだから。

この前ひどいこと聞いたんですよ。運用品質向上のためには夜間対応などにも社員をいれなあかんだろうという発言。これ言ったヤツはセンスゼロ。品質って社員が対応すれば上がるのかよ。全く関係がない。Less Is Moreこそが、運用品質向上につながる。全く発想が逆だ。

っていうとスーツのおやぢが頭固いからさ、「お前は何バカいってんだ?!運用とはそもそも高度な技術と業務知識があって初めてできるんだ。そう簡単にだな、一朝一夕でできるような・・・」とか語り始めたりするんだけどさ、ぶっちゃけそもそも一番要らないのはYOUですからー!残念!!

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