Twitterで流れてきたのでつい見てしまいましたが、この方の連載は全体的にやっつけ感が否めないですね。
なぜ“ダメなシステム”は無くならないのか? - なぜ“ダメなシステム”は無くならないのか?:ITpro
この"ダメだしとっつあん"があの手この手で言わんとしてることは「上流工程と下流工程の分断は悪であり、ダメなシステムはそこから生まれている」ということですので、この記事を読んだ人は連載読まなくて大丈夫です。僕が書いたこのエントリ読んでください。もっと突っ込んで書いてあります。
「SIerでのキャリアパスを考える」というイベントに登壇しました - GoTheDistance
もうそろそろぶっちゃけてもいいでしょ。ダメなシステムができる理由は簡単だってことに。ウオーターフォールが逆流できないせいだ/丸投げするからダメ/リスクをとらないからダメ/技術力のないやつが舵を取るからダメ・・・ってさ。つまりはエンジニアを正しく活用できないからダメなシステムが出来るってことを焼き直しているだけだ。簡単に言えば、理由なんてそれだけでしょ? この議論をもっとしていきましょうよ。なぜシステムがクソなのかじゃなくて、何故エンジニアをマネジメントできなかったのかという方向にさ。
エンジニアのマネジメントをどう行えば最適なのかは難しいけれど、下記に留意すればずいぶん違う。
- 要望と仕様の区別がつけられないなら、安易に業者に発注するな。変更管理が破綻する。
- 仕様の策定者と実装者は同一人物にすること。上流だけのSEは不要です。
- 工程間のフィードバックが取れないやり方を活用するな。空中分解するだけだ。
- 要望を設計に落としこめるアーキテクトを活用しろ。このコストをケチるな。
- 安易に価格を値切るな。いずれ品質が問題になる。
この5つに留意すれば、クソの役にも立たないシステムはだいぶ減るし、エンジニアがプログラミングを行う妨げも減ります。断言します。
タクシー業界を変えた『日本交通タクシー配車』は、情シス社員2人の挑戦から生まれた【特集:スマホが企業を救う】 - エンジニアtypeで業界を変えたエンジニアの方はMacを買ってくることから始めてるんだぜ。ベンダー泣かせの実に素晴らしい事例ですよ。内製回帰厨の僕歓喜。ITProみたいにベンダーに広告もらってるメディアでは載せにくいだろうから、エンジニアTypeさんにはエンジニア目線での記事をこれからも期待しております。
ベンダーが不要になるかといえばあり得ないんですが、技術の最先端はベンダーが作ったプロダクトじゃなくてオープンソースになってるので、ベンダーの固有の技術によるソリューションビジネスという時代は終わってる。当の昔に。今はもう、如何にオープンソースをハックしてお金を頂けるサービスを提供できるかどうかという、群雄割拠の時代に入ってる。こんな時代だから内製して欲しいんですね。目の前にいるんだから、困ってる人が、経営者が。それを解決できる手段もあるんだから。システムを動かす土台は業者が365日/24体制で守ってくれます。積極的に活用したほうがいい。ただ、そこで動かすサービスの改善・改修は丸投げして欲しくないのです。進化を促せない保守などあり得ません。進化が不要なら全部投げてしまえばいいだけのこと。
上流と下流が分断されると、ITによる問題解決が出来ない人材が大量に生まれてしまいます。昔ならまだ良かったのかもしれませんが、これからは弊害しかありません。特に僕のブログをよくご覧になっている3万人SE大転換の挑戦中である富士通の方々にはよくよく留意して頂ければと思います。