前々から文章やコンテンツを作るのは好きで、それが好じて今のブログをやっている所もあります。
純粋に自分が表現してみたい世界観を実現できるWebメディアを始めてみたいとぼんやりとしていたところ、前職が立ち上げたブランドがとても良い商品を作っているので、オウンドメディアを立ち上げました。
Hummingbirdとは
国内の生産工場や職人さんと、靴下・バッグ・シューズ・帽子等を作っており、そのブランド名称です。主に女性向け。取扱商品は、こんな感じです。一般の方もお求め頂けます。
コーポレートサイトはこちらにあります。見てやってくださいませ。
この商品が埋もれて消えていく=職人技が消えていく
きっかけは、GW頃に前職の社長と会ってじっくり話したこと、サンプルの商品(一足の靴下)をもらってその品質の良さに驚いたことです。おいおい、オレがいたころはこんな物作ってなかったじゃないか、新しいブランド立ち上げたとは聞いてはいたけどなんでこんな物が作れるようになったんだという驚きがありました。
同時に、ブランド立ち上げまでの七転八倒、疲弊した国内アパレル生産現場、凄い職人さんがあってはじめて出来た商品開発の話を改めて伺って、僕の好奇心に火が付きました。
1つは単純に布モノが好き。微妙な違いを教えてもらってから、好奇心が湧いてきました。生産現場や品質への取り組み、デザインや企画などの裏話を、脚色無く伝えていくことが布モノが好きな方には楽しいはずだと思ったこと。もう1つは、エンジニアと同様に卓越した技術が無いと出来ない商品が多くあったので、その技の凄さを伝えたいと思ったこと。話を聞くまでは機械回して作るだけと思っていたけど、そうではなかった。
人件費の安い国への生産拠点の移動(産業の空洞化)とファストファッションの台頭で、作る人は単価が下がる一方。食うために品質の良くない安物をたくさん作るのは嫌だったと、ある職人さんは言ってました。「大量生産で似たような商材を安く作ってばらまく→同質化が激しくなり消費されるスピードも上がってすぐ飽きられる→ものが売れない」という負のサイクル真っ只中で、今更になって国内の産地に目を向けようとか言っているのは草も生えない。だって捨てたのあなた達でしょう。向けたところで横に倣えでセレクトするだけのメーカーに新しい商材を作り上げる力があるとも、思えない。
職人さんの技術があってはじめて出来る仕事があるのなら、僕が出来るのはそれを伝えていくことだなと思った。国内のアパレル生産現場(アパレルは98%が輸入生産)が活性化することはもう無いでしょう。工芸品のような世界になると思います。それならそれで、自分が好きな衣料品を作ってくれる現場にスポットライトを当てていくまで。
ブログを始めた頃のような業界に対する問題提起へをやっていくアツさが、戻ってきました。
本音の情報開示の少ない企業に対する、消費者の不信
梶祐輔さんの「広告の迷走」という本に、こんな記述があるそうです。
「消費の低迷は、本音の情報開示の少ない企業に対する、消費者の不信の表れだ。企業自身の社会的存在証明のためには、自らを語り続けなければならない。」
それだけなのかと思う部分もあれば、確かにと思う部分もあります。おそらく本音とは、自分たちが目指す世界はこうで、そのためにこういう商品を作って、その品質を守るために何をしているのか、を包括的に語ったストーリーなんだと思います。
というわけで、Hummingbird Projectをどうぞよろしくお願いいたします。