GoTheDistance

ござ先輩と言われています。(株) クオリティスタートという会社をやっています。

イケダハヤト氏に学ぶ社会人としてやってはいけないこと

毒を食らわば皿までと申しますので、自分に負けてイケダハヤトに言及するという罪を犯したからには徹頭徹尾言及させて頂きたく思うわけであります。

対談イベントの提案をされたのはやまもといちろう氏なのですが、イケダハヤトちゃんはその提案を飲んだわけでして。これでもう当然のごとくハヤトちゃんの大好きな対等な関係になっているわけですね。しかも自分が企画運営するとインターネッツにてブチ上げてしまったからには、そこには然るべき運営責任が生じていると考えるのが妥当です。その認識は当然おありなわけなので、各方面に奔走されていたのだと思います。

奔走されていることは先方(やまもと氏)には関係ない訳ですから、詰めの甘さからやまもと氏に「どうなってんの?」って突っ込まれてしまっただけのことじゃないですか。ちょっと嫌みの一つぐらい言いたくもなるでしょうし、氏の芸風を鑑みれば織り込み済の記事の内容かと思います。

そこで「あ、すいませんでした」って自分から頭を下げてフォローアップ体制をこうしますみたいな感じにまとめておけばよかったのに、自分の段取りが悪いことを突っつかれた程度のことで逆ギレして「つーかツイートしたし、よくみろよ。こんな誤解で一方的に対談相手を誤解して裁くような人とは一緒に仕事をしたくないね。」と寝言を放ったことには慨嘆致しました。ソースはこちらです。

ぼくの手際が悪いのは認めますが、一方的に対談相手を誤解して裁くような人とは、一緒に仕事をしたくありません。

もう一度書きます。あなたはぼくが主催するイベントにゲストとして呼ぶに足らない人格者です。

対等な立場で対談したければ、態度を変えて出直してください。あなたはぼくを見下しているようですが、ぼくはあなたを対等だと思ってますよ。それがプロの仕事でしょう。

http://www.ikedahayato.com/index.php/archives/20629

イケダハヤトちゃんの最大の間違いは、自分のアウトプットに対して不都合な点を突っ込まれていること自体を悪魔化してやまもと氏に対する人格攻撃に切り替えてしまっていることです。自分の不手際を棚に上げて人格が足りないから出直せと切り返せる段階で大人としては絶望的です。あと、自分で企画運営するって言っといて突っ込まれた内容で心が折れて企画できませんって自分から戦力外通知を出しているじゃないですか。印象が悪くなったならプロブロガーとして挽回すればいいだけじゃない。よくそんなこと言えるねぇ・・・。これぞ「見下しすぎて見上げてる」というイケダハヤトの華麗な芸風の極み。雅であります。刮目してご覧頂きとう存じます。

あかんって、棚に上げたら。社会人としてやっちゃいけないと自戒しております。起こった不都合な事実をスルーして都合の良い理屈をつけてしまうと、そこから成長が止まり出せる成果は頭打ちになり誰にも指摘してもらえなくなる。だから「あー、このひとは理解できないんだろうなぁ」と思われちゃうんですよー。何言っても無駄ってのは死刑宣告と一緒ですよー。

イケダハヤト氏のような自分は童貞なのにあたかもその道であるかのような勘違いPMのせいで技術的負債を抱えてしまいプロジェクトが大きく間違った方向に進み、しっかりと炎上させておきながら逃げちゃったひとの仕事を引き継いで同僚と沈下した苦い思い出が再燃されてしまい、ハートがシクシクしています。

しかし現在最もハートがシクシクしているのは今回の騒動を収めることを打診されたAMNの徳力様なので、イケダハヤトちゃんはどんな理由があったにせよ自分で抱えきれないのは事実ですから徳力氏にご迷惑をおかけして申し訳ございませんと謝罪申し上げた上で、丸投げせず尽力して頂きたいと思うわけであります。

イケダハヤトちゃんの社会への復讐活動の今後のご精進とご発展を末筆ながらお祈りいたします。

イケダハヤト氏の文章がなぜ不快なのかをまじめに考えた

なんて無駄な時間を過ごしたんだろう。こんなテーマでブログを書くこと自体が。私の罪を許して欲しい。

ブログを更新するたびに表題と文章の内容が全くつながっておらず、強引に書籍等を引用して自分のやっていることは高尚ですよみなさんもどうですか僕はあなたとは違うんですという実にどーでもいい話をされて違和感を覚えつつ耐え抜いて最後まで読んだけれど、やっぱり何の役にも立たない読書感想文であることにやり場の無い怒りを覚えている全国100人ぐらいはいるんじゃないだろう皆様、いかがお過ごしでしょうか?

やまもといちろうさんがイケダハヤトをどう解釈すべきかエントリを色々書いておられるので、恐らく開催されるデスマッチイベントに微力ながら華を添えるべく一筆くれておきたい。

イケダハヤトちゃんのブログは全体的にものすごい拡大解釈が強い。わかってやっているのか全く自覚がないのか判断が難しいですが、極端に言えば単純バカのフルコースになっている。もちろん何に言及しようと彼の自由ですけれど、なぜか物言いが自分がさもその道であるかのような上から目線なのが何とも言えない。ネイティブに自己を拡大できる中二病的イノセントさを感じずにはいられない。それが彼の商品価値と言えば、そうなんだろうなぁ。

例えばこちらのフリーランスのメリットは「採算度外視」で動けること - ihayato.書店 | ihayato.書店について、フリーランスになると採算度外視の仕事で自己投資できるからいいって言ってます。一般的なフリーランスのメリットじゃないやろこれ。自分がプロブロガーとして働いて感じているメリットをつらつら述べているだけなのに、最後にビバ!フリーランス!ってどういう思考回路だとこうなるのかやまもといちろうさんに是非イベントで突っ込んでもらいたい。上記の記事では「採算度外視=お金になりにくい」という定義になっているようで、まともなフリーランサーは頭が痛くなります。自己投資ならフリーランスじゃなくても出来ますし、会社員が退勤後にイベントを開くことも可能です。もっと言えば、給料を頂ける会社員のほうが採算度外視で動けるだろっていう考えも出来ます。採算度外視で事業をやってる会社なんか無いですよ。投資に採算は関係ないことも多いけど。すごいなぁ。無駄に言葉の器が大きい。どう突っ込んでいいか困難だ。なんて言えばいい!!!ちくしょーめ!!

よっぽど会社勤め時代に鬱積した怨念があるんだろうなぁと思うので脱社畜ブログさんに持ち込みでネタ提供してあげて「採算度外視の仕事」をすることで社畜のみなさんを開眼させてみてはいかがでしょうか?是非とも上記のような具体例でフリーランスのメリットをご教示頂けるとメリットではないことが確信できて望外の喜びであります。

会社として仕事を請けて責任抱えて回してる方が、会社勤め時代にたいした成果もあげられずブログで本を薦めるだけで何の責任も負ってないイケダハヤトちゃんにまじめに突っ込んでも暖簾に腕押しになるんじゃないかなー。なんで好んで責任おわなあかんねんになるだろうし。イケダハヤトちゃんの文章はワイドショーとしては面白いんだけど、ドキュメンタリーとして語るべき内容に素人童貞が手を出すから現場で頑張ってる人にすごく反感を買っています。もちろんブログの記事を読んで何かを行動して思わぬ結果が出たことはイケダハヤトちゃんの責任じゃないけれど、トイレでう●こして流さないまま出て行きやがってみたいな怒りがあるようです。なんにせよ、フリーランスの記事については頭に来て感涙したという報告を受けております。

余談ですがこのエントリを書くためにイケダハヤトでぐぐったんですが、超絶イケダハヤト推しの記事がありました。イケダハヤト(@IHayato) - 女。MGの日記。で絶賛してたこの方はお元気なんでしょうか。第八大陸沈没してないですかね。

以上 イケダハヤト氏への応援メッセージでした。著書のリンクを張っておきますね。

年収150万円で僕らは自由に生きていく (星海社新書)

年収150万円で僕らは自由に生きていく (星海社新書)

追記(2013/01/28 12:11)

イケダハヤト氏ご本人からコメントを頂戴してしまい大変恐縮です。

社会への復讐が一部含まれているとのコメントを頂きました。ブログを書くのが社会への復讐の一環であるその独創的で前衛的な思想に感嘆致しました。レジスタンスを結成して革命でも起こすつもりでプロブロガーを演じておられるのか、と。断じて、自分が周りから評価されずに冷遇されたと勘違いしていることに対する逆恨みがモチベーションになっているなんてそんな低俗な話じゃない。チラ裏乙とかで片付けてはいけませんよみなさん。おもろないから。師の面の皮は100億シーベルトの放射線を浴びせても崩壊しない気がします。お見それしました。

「朕 is God!朕 is God!朕 is God!朕はネ申なり!朕はネ申なり!朕はネ申なり!」

優れた仕様を決定するために必要なこと

たまにはブログ更新したいから、ついさっき流れてきたエントリに食いついちゃうよー。

ソフトウェア設計とは何か 〜 設計にはプログラミング経験が必要か否か | Social Change!

工程の分断はあり得ません

ソフトウエアの設計に実装経験が要るか要らないかというのはそもそも議論にならない。「ソフトウエアの設計=仕様の設計+コードの設計」なんだから、例えればコインの表と裏。それらは引き離すことは出来ないのに引き離して分業しようとするからよろしくないことが起きてしまうというのが、上記記事の主題かと思います。簡単に言えば。

僕もこの点については「工程の分断」という言葉で何度も書いています。コインの表と裏であるべきものを分断してしまうと、互いのフィードバックを得る術を無くしてしまいます。そうなったら良いことは無い。ここは誰でも納得がいく所でしょう。

仕様を設計するチャンスって超少ないんじゃない?

倉貫さんの言葉を借りますと「ソフトウエアの設計=仕様の設計+コードの設計」になりますが、現実問題としてこの2つを同時にできるSI案件って少ないのではという気がします。プライム取れないとこういうチャンスに巡り会えないから。欲しいソフトウエアの仕様を決めるオーナーさんとソフトウェアの開発を行うプログラマが直接やれば話は早いけど、それができる開発プロセスが整備された会社ってどんだけあるのか僕にはわからないけど、絶対少ないと思う。

ソフトのオーナーとプログラマが直でやるとソフトウェアの密度はめっちゃ濃くなるし仕事も面白い。これは疑いようが無い。今後は内製部隊のスピンアウトで新しいサービスを作ってそれをビジネスにするSIがメインになって社内企業でものれん分けでもなんでもいいから会社化して業界を牽引して欲しいなーってのが僕の長期的な業界展望。市場規模は小さくなるだろうけど。

あ、あと内製で大切なことは、プロダクトオーナーの言うことは正しいから彼らが納得いくまで議論を積み重ねて「やる前提」で舵を取ること。変化は受け入れるべきなんだけど、水は低きに流れちゃうのよね・・・。

仕様の決定とはどういうことかを再考する

僕はひとりで会社で内製してるけど、振り返ってみてオーナーである社長から「こーゆーのが欲しい」って言われて鵜呑みで作ったものは例外無く全部ゴミだった。あんたの言う通り作ったのにって思ったけど、言ってることと求めていることは全く違う。言われたことを鵜呑みにしても、良い仕様はまず生まれない。

補足すると、社長は誰よりも業務が見えているが故に、自分にしか分からないようなショートカット的な機能を仕様として提示してきた。「この業務の次はこうなるってことが当然わかっているだろ」という暗黙の了解が強すぎた。で、自分にしかわからないものは誰も使わなくなる。その機能を元に誰も仕事をしないので、欲した本人すら使わない。それがゴミになった原因でした。なんて日だ!!!!!

「ユーザーが言っていること」➡「なんでそんなことを言っているのか」➡「何に困っているのか」➡「それをソフトウェアで解決するためには何が必要なのか」➡「必要なものを揃えるにはどんな方法/技術/機能が必要なのか」➡「最もROIに合う解決策は何か」という所までプログラマが全部用意した上でオーナーと議論をしないと、使い手と作り手のあいだで仕様の妥当性を判断することは難しい。ソフトウェアのプロが素人のオーナーにファシリテートしないと。プロが素人の先に行かないでどーすんの?

優れた仕様が決定できないのは、業務アプリだとシステム化したい業務プロセスを誰も一気通貫で見ている人がいないから「何が業務上の問題なのかを認識していない」のが主因なことが多いと感じる。自分の仕事をIPOに整理して説明できる方って多くはいない。社長に聞いてもわからん、営業マンに聞いてもこうなったらいいなは出てくるけれど、具体的な手順までは落ちてこない。何が欲しいんですかって言っても問題意識が無いんだから、ユーザーに聞いても仕様を決めることなんか出来ない。取っ掛かりとして「こんな苦労しなくても良いんですよ」って所から僕は話をすることが多い。社内ですらこれだ。もっと優れたやり方があることを知らないのは当たり前なんだから、そこはプロが提案していかないと。

コードが書けて業務が設計できるってことは、その会社のインフラを握っているのと同じ。これってとんでもない存在感だと思うんですけど、あんま同意されない。ソフトウェアを導入して得ることが出来る効用が自社にとって何の役に立つのかを、会社の事業を運営する視点から体系立てて整理できるプログラマになれば色んな所で居場所が作れるはずなのだが・・・。

何にせよ、プログラマは優れた仕様を決める訓練を積むべきなのは間違いない。優れた仕様を決める一番手っ取り早い方法は、自分がコード書いてそれで他人の仕事を回してあげること。Excelマクロでも何でも良い。作り手は使ってる人がシステムから得られた情報を元に何を判断して次のアクションを決定しているのかを知る機会が不足しがち。それを知ることが出来ないと、そのソフトウエアが抱えている欠陥をプログラマが欠陥だと認識できない。そこで止まると優れた仕様が何だったのかを考える機会を失う。もったいないなぁ、と。

時間が無いから出来ないけど、いつか「Excelで業務を回している会社を救う、イケてるソフトウェア設計者と共通言語を持てるための本」が書けたら良いなって思う。

たぶんそこから、色んな価値が生まれてくるはずだから。

【書評】Webサービスのつくり方〜新しいを生み出すための33のエッセイ〜

著者のゆーすけべーさんより、献本御礼。

Webサービスのつくり方 ~「新しい」を生み出すための33のエッセイ (Software Design plus)

Webサービスのつくり方 ~「新しい」を生み出すための33のエッセイ (Software Design plus)

一言でいうと、読んだ後に「あー俺も何かWebサービスを作ってみたいなー」っていうモチベーションを与えてくれる本です。

本書はエッセイの形をとっているので、あえて薄く広く窓口を広げることによっていろんなヒントを提供するという狙いがあるのかなぁと思いました。プログラミングの本じゃないので、そーゆーのは専門書をあたるべきかと。それよりも、本書では何のためにWebサービスなのか、という点に焦点を当てています。

読者ターゲットは基本的に「Webサービスを作りたいけど何をやれば良いのかわからない方」向けなんでしょうけど、おっぱい画像をいかにして効率よく収集するかというプログラミングを嗜む男子なら刮目して読むべき一節があるので、結局みんな読んだほうがいいということになりますね。間違いないですね。

個人的には第3章の「設計」が一番参考になりました。アイデアをどうやって形にするんだろうっていう時に、ゆーすけさんはユースケースを活用されているんだなぁと。ユースケースからシナリオまで落とし込んで、DBへと続く、と。あと、本書はかなりnginx推しだったので、この本を読んだことがきっかけでnginxを勉強するようになりました。nginxいいっすね。apache全く使わなくなりました。

ハイパフォーマンスHTTPサーバ Nginx入門

ハイパフォーマンスHTTPサーバ Nginx入門

プログラミング言語は何から始めたいいのか問題については、僕はjavascript推しです。何でもできるんだもん、最近のjavascript.言語仕様を覚えながら画面を作ってその動きを楽しんでからの、httpやdatabase等への理解を深めてWebアプリへと続く道がよろしいのではないでしょうか。まずはUIから入る。画面作りは結構大変。本書にはチュートリアルとして一からWebサービスを作る章もあるので、その辺の流れを追いながら週末にお勉強、ってのもアリ。

P.S

2013年のシーズンこそは、横浜スタジアムベイスターズ戦を見に行きましょう!!!

コードで周りを動かせるエンジニアになろう

CAREER HACKさんというWEBサイトに掲載されている、エンジニアのキャリア論レポートが盛り上がっていると聞いてやってきました。

で、盛り上がっている論点は「技術以外のことも出来るように vs ゼネラリストなんて目指すな」と、「汚いコードでも稼いだもん勝ちってそりゃあんた」っていう2点なので、その辺書いてみたいと思います。

ゼネラリストなのかスペシャリストなのか

自分で論点を立てておいて大変恐縮なんですが、結論から言えば、スペシャリティのないヤツがどうやってゼネラリストになれるんだっていうのが僕の見解です。

まずは、自分の得意分野を磨くことが全てだと思います。プロジェクトの成功という目的を達成する為に何をもって自分が貢献できるのかってことが一番大切ですし、その貢献できるポイントなんてそうそう多くない。ライバルはたくさんいるんだから。まずは出る杭にならないと始まらないと思います。そこで芽を出す。芽を出していく中で、自分以外の仕事の意味というのが、自分の仕事を通じてわかるようになる。自分以外の仕事の意味を自分の仕事を通じて理解しているから、他人のやっていることの凄さもわかってくるし、自分の引き出しも増えていく。そうやってゼネラリストってのは生まれてくるんじゃないかと思います。なので、まずは牙を磨けっていう意見には大賛成。自分が何を持ってチーム・プロジェクト・社外に知られてたいのかっていう視点を時々でいいから振り返りたいよね。

また、自分の作ったアウトプットでビジネスをしたいと思っているのなら、重要なことが1つあります。前にもブログに書いたのですが能力が高くても仕事を請けることは出来ない - GoTheDistanceっていうこと。自分の能力が高くても、能力を買ってくれるのはその能力が分かってくれる人だけ。つまり、同業だけ。同業だけを対象にビジネスをやっても先がないわけですから、問題は自分の能力を注ぎ込んだアウトプットを自分を知らない人に売ることができるかどうかになります。スペシャリティがあるだけでは足りなくなる。なので、けんすうがその点を強く補完して話してくれている。アウトプットの技術的難易度・高度さっていうのは、さしたる意味を持ちません。それが問題になるのは、アウトプットが受け入れられてから。マーク・ザッカーバークが「Done is better than perfect」って言ってるじゃない。そーゆーことなんじゃないかなぁ。

汚いコードでも動作させることが勝ちなのか

スタートアップに焦点を絞れば、その通りです。PythonRubyだなんてことはどーでもいい、目の前の道を開いたヤツが勝ち。なので、金山さんというチャラい社長さんに賛成です。

僕の事例で恐縮ですが、昨年の夏頃に利用していた徒歩圏内の倉庫が使えなくなり、色々あって10月末に某所に物流センターを構えることになりました。10月末には40ftのコンテナが数本入ってきます。1週間弱で本社と物流センターとの間で仕事が出来るシステムを作らなきゃ行けなくなり、確信犯的に非常にドブ臭いコードを書いて1週間で仕上げました。何がこれから求められるかわからないし、そこで仕事を回さないことにはこれからのことも決められないので、スピード重視で動くモノを用意しました。わかっているものだけを先ず作って何を改善するかを考える。Whatがブレるのが当たり前なら、スピード命でしょ。品質?そんなのWhatが変われば全部変わるから考えるだけ無駄。他人に納めるなら話は別。

その後、年明けから弊社の取り扱いアイテムが爆発的に増えてしまい「倉庫だけじゃなく複数の仕入先から商品を引く」ことを行うようになりました。倉庫にあるモノを出せば良いってもんじゃなくなり、業務の複雑さは飛躍的に上がりました。元が元なんで大改造も出来ずひょうたんツギのようにパッチを当てて運用でカバーという呪文を唱えて逃げていたのですが、今年のGWちょい前にこのままでは崩壊することがわかりました。ここまで聞くと「ほらみたことか、汚いコードを書いたからだ」って思うかもしれません。でも、求められるモノが違えば綺麗でも動かないコードになり、会社から見ればゴミにしかなりません。

ということで、これらの課題を解決して新しいステージに登るためには、ヒョウタンツギのコードを捨てて設計からやり直して全く新しいものを作るしかなかったので、GW明けから着手を開始して7月中頃に原型が出来ました。求める動作がほぼ確定したので、それから1ヶ月かけて徹底的にリファクタして機能は一緒だけど内部は別人のものを作り、8月にリリース。様々な仕入先からなる顧客の注文を今のメンバーで確実にデリバーできるようになり、売上もあがりました。

なので、僕は常々思うのはコードの汚さが問題になるのはコードでまわりを動かしてからでしょってこと。お仕事でやってる以上、自分の仕事の成果を元に誰かが動くわけです。誰の得にもならないものを綺麗なコードで作っても会社は回らない。自分が満足するだけなら額縁に入れて飾ればいい。でも、それって仕事とは言わない。

自分の価値を決めるのは自分以外の方々なので、エンジニアならば自分のコードで周りを動かしてみんなでハッピーになろうぜって思います。

33歳になりました

風のように過ぎ行く 季節の中で求め続け
僕が描いた憧れに 負けたくはないから

燃えつきない想い抱いて
遠くへ もっと 遠くまで

自分がココって決めたところまでは絶対行きたいので、今年も自重せずチャレンジするでー

業界が縮小しても、あなたの未来が閉ざされるわけじゃない。

業務系SEの末路的なお話でして - 急がば回れ、選ぶなら近道に寄せて。

マクロ的な見解は僕も同意見なので、特に言いたいことはないです。というか、僕自身も「今後は受託開発を人月で請け負える(これが狭義のSIの定義です。)機会が減りますよ」という旨のエントリを結構書いています。だって、自分で見積もり書いて出してみたらやけに高いんだもん。この仕事がシステムで可能になっても、割に合うのかなって考えたこと結構あります。話がそれましたが、要は人月が出来ないとスペシャリティの無いやつは益々要らなくなるので、お前らマジ頑張らないと知らないよって話へと続いていきます。

でもね、こんなのどーでもいいんですよ。

やべーこの業界は先が無いからマジ頑張ろうかって思っても、何を頑張るんですかあなた。主語が無いじゃないですか。そこに至るロジックはあるんですか?自分が立っている世界の地図を考えてその成り立ちを考えることは必要なんだけど、自分で値段をつけて売ったことが無いと何が対価なのかがわからないから、考えは深くなりません。業界の中で自分が立つことが出来る場所がイメージできない知識など必要ないでしょう。

ジェネラリストを目指すなら、過去の実績を捨ててチャレンジする必要があるんですけど、そこでひるんでないですか?素人に戻れますか?プライド捨てて新人に教えを請うことはできますか?その際にありがとうって言えますか?自分以外全くエンジニアがいない環境でも、仕事できます?こーゆー質問に答えられないなら、ダメじゃん。

申し訳ないんですけど、業界云々の話を聞いたところで自分戦略なるものは立てられません。ルールがわかっても、バッターボックスに立った時にどうすべきか考えられないのと同じこと。それだけじゃ足りない。業界の市場が小さくなったら、同時にあなたの未来もなくなるんですか? そんなはずはないでしょう。市場の担い手は変わるかもしれませんが、変化の無い業界などあり得ません。業界が縮小しても、あなたの未来とは関係ないんです。どうせその「業界」は、過渡的なものですから。

結局、自分をどういう方向へ歩を進めるかは、自分の「半径5メートル」をどう変えてきたかに尽きます。

僕の周りの仕事ができる人ってのは、ほっといても自分の半径5メートルを変えることができちゃう。何が必要で、何をどう変えると、どういう結果が出るかを逆算できるから。だから、どこに行っても居場所を作れる。顧客もついてくる。能力だけじゃ仕事はできません。自分が置かれている環境で自分のまわりの仕事を良くするために、自分が何をすべきなのかを考えて、やりましょう。出し惜しみはやめましょう。関係ない仕事が振ってくる恐れはありますが、遅かれ早かれそういう時はやってきます。自分の身の回りの環境で実践しないと、自分に足りないものも同時に求められているものも、わかりません。そこがスタート。業界内で生き残られている諸先輩は、その連鎖が出来ている方々だと思います。

僕のブログはIT業界への就職を志望する学生さんも非常に多く御覧頂いているので、「業界が縮小しても、自分の未来とは関係ない」ということは、申し添えさせて頂きます。

そろそろ就職活動のシーズンですね。ご健闘を祈ります。

【書評】30分でわかる ゆるゆると前向きになるための15のヒント

id:komoko-iさんより、献本御礼。

30分でわかる ゆるゆると前向きになるための15のヒント

著者の「こもこ」さんは、2008年頃から僕のブログをご覧になってくださっている方には馴染みがあるかと思います。とても丁寧に言葉を紡いでいく親しみのある文章が特徴の、コミュニケーションや人生観についてのエントリに定評があるファンの多いブロガーさんです。そんな彼女が今回電子書籍を発刊されました。

こもこさんは良く「ゆるい」という言葉を使われますが、非常に自分というものをもっている方でもあります。ゆるいのに自分があるって少し矛盾しますが、自分の軸があれば「ゆるく」考えることも出来る一面もあります。良い意味で、スルー出来るようになるからです。悩む必要がないものは考えるだけ無駄。この良い意味でスルー出来ることを「ゆるい」と表現されているように思います。

同時に、足るを知ることで加減を知ることが大切だよ、というメッセージも込められています。

自分の軸というのものがあれば、無理にあれもこれもと欲しなくなるもので、気持ちがラクにななることも多いのかな、と。自分を肯定出来るものがあれば、前向きになれるものですし。そういった自分との向き合い方というか、彼女自身が自分の人生を楽しむ為に見つけてきた色んなものが「15のヒント」というカタチで書かれています。

その15のヒントについては読者だけのお楽しみとしましょう。

こうでなければとか、皆が頑張ってるから自分も同じようにやらなきゃとか、そういう他人の考えに軸を置くのではなく、自分の軸を持つってことを考えてみたいのなら、本書を手に取ってみることをお勧めします。

著者Twitterアカウント

http://twitter.com/komoko

こもこさんからの著書についてのご案内

こんにちは、komokoです。ブログを読んでくださりありがとうございます。2012年8月に念願の電子書籍を書きました。これまでブログで書いてきたことをまとめて、ゆるゆると生きるためのヒントを皆さんにも知ってもらいたいと思っています。PDFなのでパソコンやiPhoneなどのスマートフォンiPadなどのタブレットで読んだりや印刷することができます。是非感想ツイートなどお願いします

著者名:komoko
ジャンル:ゆるゆるとした生きかたハック本
書籍概要:PDF 推奨端末:パソコン、スマートフォンタブレット

>> 電子書籍について詳しくはこちらから by Gumroad

残業をしない会社を作るために

みんな大好き社畜ネタ。表題に書いていることは全く同感。

長時間労働・サービス残業は自分の価値を下げ企業存続を危うくする | Act as Professional - hiroki.jp

個人レベルなら残業は搾取なので逃げろで済むんですが、会社を変えようとすれば「労働者のレベルは一定水準のレベルに言っているのに、組織としての労働生産性はクソ」という現象をまじめに考えざるを得ない。その時に感じたことを書き連ねます。

長時間労働やサービス残業については、まず根本的な問題として、個人の自助努力で減らせる残業には限界があることを認識しないといけない。自分が生産性を上げて頑張っても、誰かの仕事を待っていたら残業が大きく減ることはない。底が空いたグラスに幾ら水を注いでも、ねぇ。個人レベルにおいて残業を減らそうとすると、頑張るのではなく頑張らないのが最も合理的になるというのが実際の所。僕もサボリーマンレベル高かったし。当たり前すぎて拍子抜けするんですが、仕事を請けなければ作業も発生しないし、そのは受け手がいなければ途中で自然消滅することが多い。

が、それが出来れば苦労は無いでしょ、と。自分が請け負っている仕事をしなければ会社として売上げが上がらないのであれば、誰かがやらなければなりません。溜まってしまっている納品伝票を切らなければ請求も出来ないし、社内の申請を通さなければプロジェクトが進まなかったり、営業さんと提案内容を詰めないと仕事も受注できないし、部下の仕事をチェックしなくてはならなかったり。結局、仕事の流れというものがあって、それを変えない限り同じ事が繰り返されます。

残業を減らしたいなら全社的な取り組みでなければ効果は出ないというのが、僕の基本的な考え。ボトムアップでは無理。トップダウンでしか成し遂げられない。仕事上の構造的欠陥の存在を認めないといけないので、その意味では経営者が問題だと感じないとどうにもならない。なので、経営者はバカだ上司はクソだっていう愚痴が先に出るよね。わかります。でも、経営者はこの状態を認知したとしても、そう簡単に「よし!何とかしよう!」って感じにはならない。

理由は単純で、人間系によるリカバリーのコストが何よりも安いと考えるからです。従業員への給与は固定費なので業務プロセスの中で出てきた色んな例外処理を社員でカバーすれば費用は発生しないし、事務作業だから大した作業じゃないだろうと思っていることが多い。実際、一つ一つの作業は、たいしたことはない。また、業務の効率化というのはいたちごっこの世界なので、いつまでも経費をかけ続けることへの抵抗もあります。コストダウンと言っても目に見えるものじゃないし。

が、プロセスとして無理があるものは人間がカバーするのは限界があり、ある一定の複雑度を超えると誰がやっても潰れる状態になることが理解出来ず、困ったことに他にやり方を思いつく頭が無いこともある。こうなると、会社にトップとの距離が遠い場合はノーフューチャーでフィニッシュになっちゃう。問題だと分かっていても解決策が実装できなければ、絵に描いた餅。

これらの一連の経験を通じて、残業を総合的に減らすことが出来るのは人間が頑張ってもダメで、ITシステムを活用する以外無いってことがわかりました。ITを武器に出来る人間が業務プロセスの改善に着手しないと作業量の圧縮が出来ないからです。1つの仕事を終わらせるのに、3つの手順が必要だとしましょう。それを1つして組織としての生産性を向上するには、ITでしか達成出来ない。2つの作業をコンピュータにやらせるしかないです。「できることを増やすために、やることを減らす」という考え方。恐らくこれが、"Less is More"の意味ではないでしょうか。こうでなければ、作業は減らないので残業は減りません。

ITの使い方が分からないと、複雑な作業を手作業ベースで複雑なままにこなそうとするので、時間は全然足りないし意味も分からなくなります。業務の中で深いIFのネストになってしまいます。様々な顧客・商品・取引先のなかで微妙なバリエーションの多い事務作業に埋没してしまう。なので、いつまでたっても新しいことに挑戦出来ず、やったとしても手間に埋もれて経費も利益も改善できない。日常業務に埋没している会社が新しい挑戦など、できるわけがないのです。

いま中小企業に求められているのは、本当の意味で基幹となる、お客さんを獲得して、注文をもらい、商品やサービスを届け、代金を回収する業務プロセスをきちんと設計し、日々のオペレーションに供することが第一義であるように思う。ここがちゃんとできて初めて、経営者が自社のビジネス活動の実態を把握でき、現場では日常業務を円滑に回せることができる。

http://kamawada.com/~masanori/blog/2011/12/post_1392.html

全く同感なので、僕としては本当の意味で基幹となるシステムを作って、こういうことが今までと違うんですよすごくねーという事例を作りたいと思っています。

「第1回 @type Career Lounge」に出演させて頂きました。

先日告知しました、USTREAM座談会 @type Career Lounge(キャリアラウンジ) - 転職は@typeに生出演させて頂きました。USTされたコンテンツはアーカイブとして残っていますので、お時間ある時にご覧頂けばと思います。また、文字に起こして頂いて別の記事にとしても残る予定です。

いやー、しゃべくり倒させて頂いたので楽しかったですわー。

どんなキャリアを選ぶにしても、自分の基準をあげるってことが大切だなぁと改めて思いました。はじめは色んな事を覚えていく事自体が楽しいから、何をやってもできるようになる。ですが、できるようになってから(シゴトを覚えてから)守りに入ってくる。段々とできることが増えていくので、できることしかやらなくなってくる。できることの延長線でシゴトをこなそうとする。だけど、いつの日か自分のキャパが足りないというシーンに直面する。そこが分水嶺で、自分のキャパが足りないなら自分の基準を上げるしかないということが、腹に落ちるかどうか。

自分の基準を上げるというのは、こういうこと。

周囲の誰かと自分を比べても優越感や劣等感が生じて疲れるだけで何の得にもなりませんが、昨日と自分を比べると自分の成長につながります。そう、「他の人より上」でなく、「自分史上最高」を目指せばいいのです。

「うまくいっているアイツ」に嫉妬しても疲れるだけで何も生み出しません:日経ビジネスオンライン

これはいつもオレ自身に言い聞かせていることなんだが 
何かをやろうとした時・・・

「やらなければできない」が大事なんだ 

でも人は知恵がつくと

「できるからやる」となるらしい 

それは結局「できないコトはやらない」だ 

それではその先の走りは引き出せない

自分の成長を求めるためにやらないとできないことに身を置くこと。それがキャリアアップと言うんじゃないでしょうか。

Nothing Venture, Nothing Have.

追記(2012/06/14 12:20)

【@type Career Lounge(1)】湯本堅隆氏(2012年5月31日放送終了)にて、対談内容が文字起こしされています。よろしければ。

SQLを学習できるWebサービスを作りました。