業務上、某有名外資系ファームのコンサルタントと仕事をしています。私も今回始めてコンサルタントと共に働いた中で、あーこういうマインドが違うんだなぁと思った点をメモっておきます。
WhatとHow
開発をやっていた頃は、どんなに上流でも外部設計からの経験しかありませんでした。外部設計と言いつつもぶっちゃけこれ要件定義なんですけど、っていうプロジェクトもあったんですが*1、ある程度要件というのは見えていたので、後はそれをどうやってブレイクダウンするのかという頭の使い方が求められていましたし、そういうのが多かった。
ある意味Howの思考で、どうやったらWhatを担保できるのかが中心的な頭の使い方だった。
それに対してコンサルタントというのは、そもそもWhatが何かもさっぱり分かっていない状況から突っ込まれることが多い。Whatを見つけるためには要件がなければどうしようもないのである、なんて話は通用しない。要件を作るのがあんたの仕事でしょー、ぐらいの勢い。知見持ってんだから考えられるよね、っていうパスが弊社側から飛んでいるわけで。
Whatを見い出すための頭の使い方と、Howを見い出すための頭の使い方は全然違ってきます。アルゴリズムを解く頭の使い方と、そもそも何でそのアルゴリズムなんだっけ、っていう頭の使い方は全く違うということです。一種のパラダイムシフトです。
よく技術に飽きたからコンサル目指すという動機でコンサルを志望される方が散見されますが、彼らは頭を使って論理を構築することについては24時間そればっかりやっている職種。まずいきなりでは、ついていけない。私も議論についていけるようになるのに、1ヶ月かかりました。最近になってやっと自分の意向を正しく伝えることが出来るようになり、生産的なパートナーシップを築けるようになってきたばかりです。
正しいか否か
コンサルタントの論理構築の基本は、論理として正しいか否かです。この問題を考えるにあたってはこのアプローチに沿ってこのようなタスクプランで解決するのが「正しい」のです、というのが基本にあるようです。何度かそういう紙を見せてもらいました。私のようなSE上がりは、論理的に正しいかどうかなんて考えぬく・・・、なんてことがなかった。課題解決が出来ればいいんだろ、そのための論理は確かにあるよね、ぐらい。
ただ、全体をどういう切り方で俯瞰するのかというのはあんまり使わない頭の使い方なので、ココは要訓練だなと感じた。
世の中仮説思考なんて言っているけど、間違いなくアレは高等テクニック。まず、仮説を立てるインプットをどう集めるのかというのが非常に大切になる。直感ではこれだなぁと思いつつも、それでは対外的な説明は不可能なので論理的な正しさを根拠として求めたくなるし、実際必要になる。なので、ちゃんとした仮説を立てるまでが大変。そして、立てた仮説をどう検証すればそれが正しいよねって立証できるかどうかも、また大変。仮説を立てられるようになるには、所謂ロジックツリーとかそういう論理構築の訓練があってこそなせる業である、と思います。
また、論理的に正しければ全てよしというわけではない。事情がそこにあるから。
結果として求めている課題が解決できることが正しさの基準であって、それが論理的に正しいかどうかとは全く別だと思ってます。また、あまりに正しすぎると「至極ごもっともなんだけど、何の意味があるんだっけ?」ってこちらの思考が停止する。これは赤信号なら歩行者は止まるんです、という正しさ。そこからなんで赤信号なら止まるんだっけ、っていう議論をしても広がらない。
この辺の天秤が、また面白いところなのです。
また何か感じたらPOSTします。
*1:20Mぐらいの