GoTheDistance

ござ先輩と言われています。(株) クオリティスタートという会社をやっています。

ウェブ時代をゆく〜First Impression〜

はてな市民として買わなければ負けかなと思いついカッとなって買った。今では半分しか読んでない。でも本書の書評の数々には、ほとんど目を通した。普通逆だろうなw とりあえず、今自分がこの本から感じたことを素直に書きたい。得意のチャラチャラした雰囲気で攻めてみたい。みんな固いんだもん。

この本のメッセージ

半分しか読んでないけど、多分こんな感じ。

いいかい、YOUたち。特にヤングメン。

ウェブという広大かつフラットなメディアが出来たことによって、今YOU達を取り巻く環境は激変しているんだ。何が激変しているかって?それは誰にでも表現という機会を均等に与えられたこと、対象さえ明確になればウェブ時代以前ではあり得なかった超特急の学習経路(これを高速道路と読んでいる)があること、好きを主体にした性善的楽観主義によって様々なコミュニティが形成されその中で生きることが可能になってきたこと、大きくはこの3つだ。

そういう時代の中を生き抜くためには、何度も言っているけど「自分の好きを貫く」ってことが一番大切だと思っているんだ。高速道路が出来たはいいけど、この世界で一流になるためには大渋滞を克服しなければならないんだ。以前は渋滞することが無かった。ハイウェイがないから、出口に辿り着くまでに力尽きてしまうケースがほとんどだった。今はみんなハイウェイを乗ることが出来ているから、あっという間に出口近辺まで来れちゃうんだ。

それしか生き方が無いのかといえば、もちろんそんなことはない。それが「けものみち」さ。現代のように情報が指数関数的に増えている時代においては、高速道路を渡るだけではなく様々な志向に沿った生き方ができるはずなんだ。以前は「けものみち=アウトロー=社会的変人」というようなステレオタイプが強かったけれど、これからは決してそんなことが無く、組織に従属しない生き方、組織との依存性を可能な限り疎にする生き方がもっともっとあっていいんだ。そういういき方があるってことを良く考えて欲しい。でも、どっちの道を歩むにせよ、自分の好きを探さないとダメだと思うんだ。それを行動規範として生きていける時代なんだから。

さぁ、キミ達も考えて欲しいんだ。ウェブを活用することによって人生が変わるっていうことを、もっと本気にね。それがウェブ時代を行くってことさ。

個人的にはこう読んだ。

この本の価値

私個人は、梅田さんに対して興味が無い。梅田望夫オプティミズムとは、なんて語る気にもなれない。うほっ梅田さんの素が出てきた的な感想には全然興味が無い。何を読んだんだと思ったりもする。で、この本の価値をどう考えるかについて見事に語っているのがこれじゃないかな、と思う。

読者個々人のキャリア形成における行動規範にインパクトを与える程の力があって初めて、本書は読者より高い評価を勝ち得る。

私自身は正直そこまで強いインパクトを感じなかったが、それは自分自身を追求する思考の浅さにも一因がある。とにかくこの本の価値は、今までWebとは、オープンソースとは、web2.0とは、ブログとは、という断片的な今時のキーワードの解説本が溢れている中で、「今あなたがたが生きている時代・社会構造はこういう方向に向かおうとしており、それに沿うための生き方はこうあるべきではないか」という議論のインプットとなった所だと思う。この点においては賞賛されるべきだし、みんな賞賛しているのはそこだろう。そして、それを構造的に語れるのはやっぱり梅田さんなんだろうなぁ。

既にもうキャリア嗜好が自分の中で明確になっており他人に語れるぐらいの人にとって、この本のインパクトは薄いと思う。だけど、読み返したくなる本。自分の今後の道筋がもやっとした時にまた読み返したくなる本には違いない。

究極のオプティミズム

オプティミズム=好きなことやって生きていこうYO、嫌いなことなんてやるんじゃねーZE」っていうのは、表層的な理解なんじゃないかなと思った。何が言いたいかといえば、根本的な人間の良心・慈愛・博愛、そういったものを核とした「島宇宙」というものによって、世界が形成される時代がやってくるんじゃないか。これが梅田さんの考える究極のオプティミズムなんじゃないだろうかっていうことです。社会がフラット化すると、皆が同じ土俵で戦わねばならないという厳しさと、皆が自分の好きを共有できるユートピアの中で生きていける素晴らしさの2つの側面が大きくあると思っている。好きの延長線上には愛があるのか、好きを昇華したものが愛となるのか、そんな議論は今する気は無いんだけど、人間というものを最大限正しい方向に向かわせるベクトルがウェブ時代の向こうにあるんではないか、そういうロマンティックさもオプティミズムなんじゃないのかな。

ウェブエコノミー

ウェブが儲からない理由は以外と単純ではないかと思う。技術だけでは1円にもならないから。dankogaiがどっかでそんな話を書いてて、久しぶりにストロングにアグリーした。結局ウェブで儲かっているのは楽天でありオークションであり、それって要はオールドエコノミーがWebの最大の利点のである距離を越えて皆がひとつの場所に集まれるってことを組み込んだだけじゃね、っていう話。これもどっかに書いてあったけどソース忘れた。なんつーかよく分からないけど、ウェブだけでは実体経済は回らないのは当たり前でしょう、と。モノが実際に流れることでお金が流れていくのだから、と。

ではウェブというもはや世界的公共インフラに対して、つまりこの世に集まる情報・英知というのがどのようにマネタイズできるのかという議論が今色々なされているのだろう。よく分かってない。アテンションエコノミーとかの話になるのかな。ここは個人的に一番興味のあるエリア。

まとめ

一読して損は無い!手元に持っていて損は無い!必ずどこかひっかかる文章がある本!ランチ1回分の値段なんだし、買って読んどけ!

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