GoTheDistance

ござ先輩と言われています。(株) クオリティスタートという会社をやっています。

いいからアウトプットを晒せよ、ハゲ。

どうもこの業界には自分のナレッジやノウハウ的なものを出し惜しむような方がいらっしゃるようなのだが、それって何か意味あるのかなと正直思う。自分のナレッジの提供が切り売りになると。何でオレがコストかけて学んだナレッジを公開せねばならないんだ、って感じで。ナレッジだけ得ようなんてムシがよすぎる、と。

でもね、それは間違っていると思うんですよ。

私は仕事ができる人ほど自分の持っているナレッジを提供してくれると思ってます。技術的なTipsであったり、こうやってはならないというアンチパターンであったり、と。まぁ確かに何かしらの問題に遭遇して自分で頑張って解決して得たナレッジだけを教えてくれというのは問題です。「いいとこどり」と解釈されます。でもそれはその人の姿勢の問題だし、いつか彼らがFOFAしなくてはならない局面になった時に後悔するだけの話だな、と思ってます。FOFAってのは「Fix Once Fix All」という言葉で、何か1個バグを発見したら全体を俯瞰して全部治しちゃいなYOという意味です。

このWeb時代においては切り売りなんてナンセンスすぎる。そうではなくて、良質のナレッジをアウトプットすることで良質のインプットが得られるということにもっと目を向けるべきです。

ブログを書いていたり社内に自分のナレッジを公開している中で確信していることは、「アウトプットの質がインプットの質」を決めるということ。自分が質の高いナレッジを提供すれば、それに呼応した質の高いレスポンスしか返ってこないんです。これは確信を持って断言できます。レベル3のナレッジを提供したら、それ以下のレベルのナレッジは返ってきません。レベルが違いすぎると全く参考にならないのです。切り売りなんて感覚は全く持つ必要はなく、最終的には「宝の持ち腐れ」となって腐っていくんだと思えばいいんです。伝えなければアウトプットにはならない。自分の頭の引き出しを空っぽにするためには、今考えていることを知的生産するしかありません。

そして、もう1つ大きなコトがあります。そういったナレッジを自分の手で構築できる能力は誰も盗めない、ということです。

ナレッジやTipsで提供できるのは「こういう問題は、最終的にこういう結論になった」という結果だけです。不確実で不透明な問題を前にして、自分が悪戦苦闘して得た問題解決のプロセスや思考回路は、何人たりともコピーすることはできません。それを「ノウハウ」というのです。ナレッジは提供できますが、ノウハウは自分の手で築き上げるしか得られないものでしょう。

せっかく色んなアウトプットを自由に好き勝手に晒せる時代に生まれているのですから、もっと好きにやっちゃうべきだと思います。

SQLを学習できるWebサービスを作りました。