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ござ先輩と言われています。(株) クオリティスタートという会社をやっています。

「知らない」平穏と「知る」悲しみのあいだ

 つまり知識や経験は人生に悲しみももたらす。より多くを、より良きものを、よりスリリングなことを知ってしまったがために、当たり前の日常に感動できなくなる。それでも、知らない平穏よりも知る悲しみのある人生の方が高級だと開高さんは言っていた。全く同感だよ。

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すごくいい一文だなと思いました。知る悲しみって2つの意味であると思います。

1つは「知らなきゃ良かった」ってヤツですね。知ってしまったがために、「アイツに限ってそんな・・・」とか「え・・・なんでなの・・?」とか「オレ、しょっぱいなぁ」とかそんな感じで、目の前に突きつけられた事実が劇薬になってしまう。浮気発覚とかその一例ですね。英語で「Ignorance is bliss」という言葉がありますが、直訳すれば「無知は幸せなこと」になる。「知らぬが仏」と、大体同意かな。

もう1つは「知ってしまったがために、もうそれなしの生活が考えにくい」ってヤツです。僕の場合ですと、某貴族の方に教えて頂いた「まるい」というお店ですね。あそこのレバ刺しは、代わりがない。あーゆーのを知ってしまうと、なんか他の店に行ってもつい比べてしまう。強烈な体験を得たものが忘れられなくなってしまう。良いものを知ってしまったがために、それ以下のものが「当たり前」になっちゃう。

とびきりの楽しい経験をしても、楽しいことは繰り返していると「当たり前」になっちゃう。良くも悪くも。それが生きがいになれば最高だね。

最近、僕はBMWのZ4という2シーターのクルマに乗らせてもらいました。自分がカネ出して買うことはほぼ絶対無いんですけど、なんといいますか、あーゆーのでなければ満たされない領域があるってことを知ってしまいました。すごいっすね。エンジン音がすごく官能的で、特に3000回転ぐらいがいいですね、抑揚感があります。ふぬけた「ボヘー」って音じゃない。カローラがおもちゃに思えました。あれはあれで、ラクなんだけどね。100kmまでの加速がすごいスムースでストレスを一切感じずクルマが前に出る。ノーズが長いんで、コーナーの曲がりも吸い付くようです。オープンで夏の夜にMM21を流すのは気持ちいいですね。だけど変なプレッシャーかかるし高速乗ると追っかけられるんで、自重していると乗りこなせないクルマだけどね・・・。ふつーのクルマのほうがラクですよw

一旦知ってしまえば、知らなかった時には戻れない。知ってしまったら、それ以下のものでは満たされない。

戻れないから何をつぎ込むかっていえば、カネと時間ですよね。

何かを知ってしまったことによって、時には生活のバランスを崩しちゃうことにもつながる、結構危険なもの。シャブシャブとかはそうですよね。人間終了しちゃうのにね。知ってしまったことを軸においたが故に、当然失うものも出てきます。

でも、知らないことで「色んなことを気づけずに平穏の中で終わる」よりも、色んなことを知って刺激を得て「色々知っていくうちに、失うものは増えて道は荒れてきたけど、代わりのない何かをいっぱい経験してそれを追い求めていく」人生のほうが、僕は好きです。

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