コレ読んで出版業界の仕組みに興味を持ったので、僕なりに今後の展望をまとめてみる。
メーカーがモノを作って卸に卸す時はメーカーが作った分だけ売っていいけど、小売から返品が来たらその分の返金を全て受け入れろ、というのが出版業界の慣習らしい。で、返品された時に現金がショートしそうな場合は、「新刊を発行して卸に売ったお金を、返品された本の支払いに充当する」というセクシーコマンドーが横行しているらしい。いくら返品来るかわからない上、増刷決まらないと同じものは作れないからだろう。
だが、このセクシーコマンドーは「卸が新刊全部買ってくれる」ことが前提になるので、仮に「もう今月は○○冊以上買えません」という柵を設けられたら益々大手が流し込んでくるだろうから、零細の出版社はどうやってカネを工面するんだ・・・という話のようだ。
もちつもたれつが、懐が寂しくなってきてドロドロになってきたんだな・・・。全員共倒れになる前に、ニッパンさんが動いたってところなんですかね。
再販制度と委託販売によって商売の自由度が奪われていることの歪みが構造的な問題に発展しているようなので、一番の特効薬は「返品率の固定化」と「再販制度の一部緩和」にあるんじゃないですかね。
出版社側は、返品に引き当てるカネをプールしなくちゃいけないのがすごく辛いみたいなので、今までどおり刷った分を卸(取次)に購入してもらいつつ、返品の最大率を決める。10%とかにしちゃう。また、特価品やリベート(製薬会社がよくやるアレ)の検討も考える。限定的にネ。
書店側は返品率に上限が設けられるとビビって仕入れられなくなるかもしれないから、異種混合のセット販売とか特価品とかを出してもいいっていう基準を決めて、売場の自由度を高める。再販制度を廃止すると刺激が強すぎるし最終的に誰得になりそうだから、僕はオススメしない。書籍は消費財とは違うと思うので。小売りが価格下げたことによってメーカーに入ってくるカネが落ちても、そこはメーカーも負う。
真ん中に入った取次さんは、需給弁の役割をちゃんと果たす。要はオプションを増やせばいい。買取の場合は、掛け率下げるとか。もしくは、お試しで売れたあとに支払いをするとか。また、数量もなるべく細かくする。メーカーは作った分だけ売りたい、小売りは欲しいものだけ買いたいわけだから、その調整機能を破綻させないように橋を架ける。
もう無理でしょ。定価売り切り前提の商売は。売れ残り前提の仕組みにシフトしていかないとみんな不幸になると思いました。識者の方のご意見をいただけると嬉しいです。