株式会社クラステクノロジー代表の四倉氏の連載コラム「第151回」が、とても興味深いのでご紹介します。
【第151回】35歳定年説の真実-株式会社クラステクノロジー
詳しい内容は上記コラムをご覧頂きたく。
プログラマ35歳定年説とは
上記の四倉氏によれば、プログラマ35歳定年説とは「1Step,1Stepの生産性に比例するので、長い間労働すれば高いアウトプットが出せ収入が増える。体力が下り坂になってきて徹夜や残業ができなくなるのが、大体35歳前後。体力低下と共に収入も下り坂。それに限界を感じてIT業界去ってしまう」ということのようです。これをプログラマと呼ぶのかとか、ステップ数(笑)という憤りもあるでしょうが、「ステップ数と売上が比例するため、いっぱいコードを書けば収入が増える」という理屈は腑に落ちました。是非の問題ではなく、確かにその理屈なら体力勝負という表現も理解できる。
そして、この理屈においてはプログラマ=ワーカーですので、「早く体力勝負のプログラマを卒業してSEに昇格しなければならない」ということになります。
35歳定年後の未来
では、無事35歳を迎えて定年を超えてIT業界の第一線で働いている諸先輩は、どうなったのか。四倉氏曰く、こうなったようです。
プログラマかSEかは問わず、間違いなく大部分の人が40歳を過ぎると、技術など何もない普通の人となり果てるという事実である。大部分というのは90%以上かもしれない大部分である。これからの人生長いのに何で現役でなくなるの?という状態になるのである。40歳を過ぎると、画面設計もできなければ、DB設計もできないし、帳票のデザインもできず、ましてプログラムなどは全く書けなくなるのである。
馬鹿なっ・・・!圧倒的退化・・・!何故っ・・・体力勝負を辞めたSEが何故っ・・!
僕のSI関連記事のエントリをご覧頂いている方には自明かと存じますが、退化しちゃう理由はとっても単純です。RTするだけの簡単なお仕事ばかりをするようになってしまったからです。どうしてそうなってしまったのかも単純で、人月ビジネスで利益を最大化するためには、「高い単価で顧客から仕事を請けて安い単価で外部に出す」ことが求められ、それが出世に繋がるからです。「まだプログラムなんか組んでるの?マネジメントやらなきゃダメよ」的なお話がここに帰結します。
僕のまわりの意識の高いSIerの中のヒトを除けば(事業規模問わず)、大企業にいると35歳位でプログラムも組めなきゃ設計もできず、ITのことはサッパリ分からないが金勘定と人操りと外注管理だけは上手いという人材が出来あがり、特に40歳〜50歳ぐらいに多いように感じます。時代はもう変わったのにね。
サラリーマン根性を捨てろ
業界事情にあまりお詳しくない方からすれば、「何故この人達は沈みゆくタイタニックに乗ったんだ」と質問したくなるかと思われますが、それは業界問わず「サラリーマン根性」に問題があります。このような退化の道を辿ってしまうヒトは、プログラミングや設計の仕事に対する愛着がありません。愛着があって自己研鑽をしている方は、プロマネ経験もあるけど実装でプログラマと生産的な議論ができます。自分を取り巻く環境に疑問を覚えずに会社が用意したレールに座り込んでしまったが為に、40過ぎるとただの人になってしまったのではないでしょうか?僕からすれば、こういう人材が社畜と呼ぶに相応しい人材です。会社はどうなるかわからないし、自分で自分の就労環境を良くしようという意識がないのは大問題です。
本来IT業界から退場すべきなのは、「プログラミングや設計等に全く愛着を持たずさしたる敬意も払いもせず、ワーカーや手配師として働いている豚野郎」かと思われますが、大変素晴らしいことにマクロ環境の変化が上流工程だけを行うSEを絶滅危惧種に認定してくれたと言えるでしょう。ほっとけば死滅するのでほっといてあげて下さい。プレイングマネージャしか生き残れなくなるでしょう。
目線の位置を、再度ご確認あれ
会社の中までしか見えない目線の位置を何年も続けていると、会社が用意してくれている仕事とその報酬のギャップ等に疑いを持たなくなってしまいます。目線の位置を高くしていれば、同業他社・業界・他業種のことも見えるようになり、自分なりにバランスを取ることが出来るようになります。
ただ、バランスを取ること自体に優越感を覚えて「あいつはまだこの会社の問題点がわからない豚野郎だぜ」的なことを平気で飲み会で言い放つのもどうかと思います。行動しなければ何も変わりませんので、小さくても着実に昨日の自分より1歩前に進めるようになりましょう!