スーツな会社に勤めていてギークになりたいのに葛藤しているid:int128と昨日トゥギャザーしてきました。スーツな会社やめたらいいのにというのはあまりにも雑なので、スーツな会社でどう立ち位置を築けばいいのかを頑張って書いてみることにします。
スーツな会社には理系の人間はいないわけではありませんし、必要とされていないわけでもありません。id:int128も相当なギークです。彼らのような人間がごろごろ入社しているのは事実だし、ウチの会社にもギークな人はいっぱいいます。id:int128の会社も僕の会社も大きな会社ですから、スペックには結構うるさかったりします。大きな会社がその規模を保つためには、当然のことながら多くの売り上げを叩き出さなくてはなりません。多くの売り上げの意味する所は多くの人間を使うということです。1人が1人月働くよりも、1人で10人を使うことが求められるので、管理者になることを推奨されていく。人を多く使えば使うほど調整作業が多くなりますので、コードを書く時間は激減していきます。アーキテクトのようなポジションでもそれは変わりません。大きな会社では一度もコードを書かないで管理者、リーダー、仕様策定者になるケースが過多あります。
ギークがSIerに入ると不幸になるのは、ギークの立ち位置がないから。ただし、大企業のSIerでも中の人はみんなスーツやってるわけじゃない。新しい技術を確立したり研究したりしてる人もいる。その選択さえ間違えなければ、当面は幸せにやっていけるだろう。
確かにそういったプログラムを書いてナンボな部署もあるのですが、残念ながらそういう部署はそもそも少ない。それにそういう所で働いている同僚とつながりを作ること自体も難しかったりする。
立ち位置がないのなら、立ち位置を作るしかありません。
ギークとしての自分を構築する手段として、私は2つの方法があると思います。
1つは自社の開発プロセスに対して積極的な改善案を提案することです。大きな会社の時の流れはインターネットの外の世界の時の流れより相当遅れています。JUnit知らない人がわんさかいます。構成管理って食えますかという人がわんさかいます。間違ったことを綿密にやっているがために生産性が相当低くなっているケースが相当ある。誰もこんなことで苦労したくはないのですが、それしかやり方がわからない、と。本当はギークの出番がいっぱいあるんだけど、ギークの価値を活かすようなことをすると今までのやり方が否定されることになるので、なかなか厳しいわけです。誰もがそれについてくるわけではありません。
もちろん対抗勢力はいっぱいいるんで、まずは自分の担当範囲の検収だけ使ってみるとか、自分のドキュメントに対してSVN入れてみるとか、同期や心の通じる先輩を巻き込んで2人か3人でやってみるとか、そういう草の根活動をやってみて、自分で自分の仕事を回すPDCAを作ってみるのがいいと思う。実際、僕の先輩はひたすらある技術がこれから必要なんだと言い続け、残業も厭わずに新技術を使うリスクをとり、そのままマネージャになり多くの人間をその技術を会得させて、結果的に会社も儲かりました。
もう1つは、ブログを書くことです。ギークになりたいと言っている以上何かしらの技術に興味があるはずなので、その技術やそれに対するOSSに対する造詣を見せるためにブログを書く。トラバを打つ。MLで発言する。コードをブログで晒す。なんかサービス作ってリリースする。僕の知る範囲でギークになりたいなぁと言っている人は結構会社にいるけれど、ブログを書いている人間は誰一人いません。仕事上でその技術を触っていなくても、Web上では多くの居場所があるわけで。そこで本当に自分が立っていたい場所も見えてくることもあると思います。
朱に交わればなんとやらで、会社の中だけに閉じこもっていると自分が何に対して手を動かすべきなのか、それを忘れがちになる。行き帰りの電車の往復90分を、毎日1500円費やしてコーディングに充てるという人だっている。
願わくばid:int128がスーツ(笑)の連中を駆逐してくれることを期待しています!がんばって!