Twitter Friendsが新卒でSIerに入られるそうなので、これはSIerの中の暮らしを可能な限り語るしかないと思いついカッとなって書いた。今はネタ切れに困ってる。相当長いので、つまみ食いしてください。
2003年当時の状況を振り返る
私は2003年に今の会社(SIer)に新卒で入ったのですが、新卒入社の方々の中には「HTMLって何?」という方が結構いらっしゃいました。ハイテンションマンザイランゲージですってボケてみればよかった。ほんとなんだって。全部で90名ぐらいいたけど。エンジニアとして採用されて入社してるのに、それはないだろと思われるでしょうが、「俺は名を上げるぜ」的なモチベーションで4月から会社はいるヤツなんてマイノリティ。Googleを知っている人も少なかった。
Twitterに戯れある程度Webサービスというものが語れてコードもかけてBlog等の何かしらのWebサイトを持っている新人さんなど滅茶苦茶少ないと思っていい。だけど、それが評価されるかと言えば難しいところなんだよね・・・。凸凹はあって当たり前という見方をされるから。今何を持ってるかではない、というのが評価軸にあるから。そんなのまやかしだと思うけどね。
だけど、スタートダッシュが企業ライフの基本だと思う。仕事が自分の得意分野・興味嗜好に合うことは少ない。だとしたら、始めから自分が何かを持っていることはとっても大きなものだし、新人の時についた差を3年後に取り戻すのは相当難しい。そんなに簡単に取り戻せるものじゃない。仕事は出来る人にやらせたほうが楽なんだから。この辺りはきたみりゅうじさんの「新卒はツライよ!」という本を読むとよく分かると思う。
賢そうに見えるのは幻想
ミーも学生の頃社会人という存在がすごく頭の良い存在に見えたものです。それを見てオレも頑張らなきゃなんてウブに思ったものです。だけど、それ幻想ですから。ほとんどの人が頭の使い方を教わることなくさび付いています。意思決定で重要なのは感情ではなく理知。理知を導くのは論理です。この辺は「会社というおかしな場所でいきる術」という本に明るい。名著だと思う。
新しいことを武器に戦え
技術を商売にしている会社において新人さんが持つ圧倒的な武器は、最新動向に明るくなることだと思う。
会社の中の時間というのは、会社の外の時間に比べて5倍ぐらい遅いと思っていい。特に、大きな企業の場合は。技術の最新動向に明るくそれを使うことが出来、従来とは全く違うやり方で高い生産性を発揮できる人間は、間違いなく即戦力だ。仮にそれが必要とされない部署に配属されてしまったとしても、だ。竹やりで戦っている戦場に鉄砲を持ってきてみなよ。
私も3年ぐらい前のある案件で、スケジュールが押せ押せだったため顧客の作業スペースに3人張り付いて仕事をしていたことがある。そのときコンパイルバッチが必要だから作ってくれと頼まれた。開発環境なんてあってないような状態&何が動いているソースか分からない状態だった。その時Antをちょっといじったことがあって、Antって言うのを使えばアツイっすよということを当時のプロマネに言い、ちょっとしたbuild.xmlをかいて皆に配布した。煩わしい作業から開放されてみんなうれしそうだったし、何しろこれで何が動いているソースなのかが分かるようになった。オレの評価もそれで上がった。
できないことや困っていることを斬新なやり方で成し遂げるインパクトは、非常に大きいのだ。
わからなくて当たり前。それを乗り越えることが重要
私の社会人生活2年目〜4年目ぐらいは、本部でも有名な先輩の下についた。会社に住んでいるのではないかと言われるぐらいいつも終電だったし、自分のプロジェクトの合間を縫って常に技術的に新しい何かを試していたすごい人だった。あの情熱はどこから来るのか本当に不思議だったし、困ったときには面倒を見てくれるいい先輩だった。面と向かってはこっぱずかしいけど、今でもこっそり感謝している。
その人に学んだのは、「わからないことを乗り越えていくこと」だった。与えられるのは「こういうことがしたい」というアウトプットだけ。その先輩ですら、「たぶんこーしてあーしたら、次どうするか見えるんじゃね」ぐらいの指示。当時の私はやっとJava文法を覚えたぐらいだったから、すんごいきつかった。だけど、勝負はここから始まるんだなっていうのも学んだ。そこで自分がどうやって解決していこうとするのか、その姿勢を見られていた。そこで「のびしろ」を判断されるっぽい。飲みの席でもっと頑張れとその先輩に半分冗談交じりで怒られた時にハッとした。その次からは「ここまではこういう形でやってみました」と言う報告をあげるようにしてから、やっと見直してもらえた。このやり方は賛否両論のようだけど、個人的にはアリ。
部署選びはキャリア選び
弊社は基本的に機能ごとに縦割りで部署ごとに全然カラーが違います。やってることが全く違いますので、直近3年ぐらいのキャリアは配属に左右される。私はWeb開発をメインにやる部署に配属になりましたが、別の同期は全く違う仕事をやっている。配属の希望がわからないけれど、開発をやるのかインフラ寄りに行くのかぐらいは決めるといいかも。
ちなみに、運用の仕事と開発の仕事というのは全然性格が違う。開発には明確な終わりがある。山もあれば谷もある。つまり、いい時もあれば悪い時もある。期間も様々。だけど、必ずどこかでプロジェクトは終わる。達成感がある。色々な経験が積める。運用は、基本的に終わりがない。顧客がそのシステムを捨てない限りは。仕事上大きな波が立たないし、立ててはいけない。開発のようなデスマーチにはなりにくい。無事是名馬というけれど、システムでも全く同じ。その代わり刺激が足りない。無事に動かすためには、淡々と同じことを繰り返すことが必要になることが多いからだ。ピッチングフォームがバラバラだと安定性が保てないのと同じ。
最後に
正直これ以上は会社の内情や個別の事情が絡んでくるので抽象化しにくい。どっかのOFF会やTwitterなんかで語りましょう。
で、私がキャリアにおいて一番好きな言葉はこれ。ビジョナリーカンパニーの著者、ジム・コリンズの言葉。
- First Who, Then What (誰と一緒にやるのかが最初。何をするかはその次)
- Confront the Brutal Facts (自分が「勝てない土俵」はどこかを知る)
- Hedgehog Concept
- What you're deeply passionate about (自分が心から情熱を感じられるものは何か)
- What you can be the best in the world at (自分が世界で一番になれるものは何か)
- What drives your economic engine (自分の強みを経済的な価値に変換する仕事とは何か)
That's all what all of you must remember!
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参考文献
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会社というおかしな場所で生きる術―「使われる」サラリーマンから「使いこなす」サラリーマンへ
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