先日、知人のIT業界を主戦場にしておられるヘッドハンターの方とお会いしました。昨年度からソーシャルゲーム等を運営している会社様から引き合いが増えているようで、SIerやメーカーの研究職からWebサービス事業会社への転職の案件も増えているようです。
そのヘッドハンターの方が3つばかり、Webサービス事業会社への転職を考えているのなら気をつけるべきコトを教えてくれましたのでシェアしたいと思います。
1. 手を動かせる人であれ
端的に言っちゃうと、現場でコードを書いているエンジニアならまだしも、PMや管理業務が多くなってしまった方は正直不要なんじゃないですかってこと。欲しいのはサービスを拡大 or 安定運用しているエンジニアで、管理する人じゃないだろうから。でも、SIerで最も脂が乗り切っている世代ってPM/PLクラス。若けりゃ未経験でもいいだろうけど、SI業界10年選手とネット系企業とは相性が悪すぎる気がしてならない。
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以前こーゆーことを書きましたが、基本的な認識としてコレは正しいとヘッドハンターとのお話の中で感じました。やっぱり相性悪いんですね、管理屋さんは。1人で何人使うことによってそのマージンで利益を得るのではなく、1人の人間の創造性をもって何人の人を食わせるようにできるのか、が事業会社で求められているマインドです。
言葉は悪いんですが、ソーシャルゲームって何がアタるかもよくわからない商売だと思います。ユーザーに直接「コレ当たりますかね?」と聞くバカはいません。自分で試行錯誤して万馬券を取りに行ってナンボだと思います。万馬券当てるためには、地味なことも細かいことも色々やらねばなりませんし、就業時間もある程度長くなるとは思います。
2. 減点思考から加点思考へ
これが一番難しいかもなぁと感じたことです。
減点思考ってのは100をスタートして100からどんどん減点していくことで、最終的に点数の高いものが良いという考え方です。受託開発では基本的にこの考え方です。まずはWhatを決めて道を舗装する。舗装された道をクルマを運転しながら、あちこちブツけないようにゴール地点まで完走する、という進め方を行います。クライアントと一緒に同じクルマに乗るわけですから、ある意味当たり前です。
ところがWebサービスの事業会社で作っているサービスというのは、不特定多数の個人を相手にします。受託の場合は発注者が明確なのでWhatの擦り合わせもできるでしょうが、Webサービスはそうはいきません。なので、加点思考とでもいいましょうか、0点からいかに100点に近づけていくか、というのが求められます。要件や仕様は自分で考えて決めてよそんなのいちいち指示出してたら日が暮れちゃうよ、という厳しさがある世界だと考えておいた方がよいでしょう。
その代わり、そういう職場では「自分で決めたんだからしゃーないわ」という納得感が得られます。「お前の腐った指示に従ったからこうなったんだろが」的な憤りは皆さん概ね減っているようですと、ヘッドハンターの方も苦笑いしながらおっしゃってました(笑
候補者が採用担当にアピールすべきコト
また、上記に特化した話ではなく、転職に関して一般的な教訓も頂きました。
面接にあたって、候補者は当然自分が持っているものやできるものをアピールしていきます。「○○の開発ができる」「○○というポジションを完遂してきました」「××という業界に明るいです」etc...。
しかし 採用する側は、採用した場合に生まれる利益・メリットを重要視するので、候補者が持っているスキル・経験・知識はあくまで参考程度に考えていることが多い、と。なので、「そのような実績は素晴らしいけれど、ウチで何をして頂けるんでしょうか?」という質問に答えられない優秀な能力や知見をお持ちの「もったいない」方が多く、自分の活かし方をアピールできない優秀なベテランより素直な白紙の20代の若者を採用しがちになりやすいとのことでした。
武器を持っている人間は、その武器の活用方法を認識し、それを説明できなければ戦えない。全くその通りだと思います。
かといって「僕の武器って何だろう」と思うとさっぱりわからないので少しずつ言葉にしていけたらと思っています。